コスパ重視でスマートフォンを選ぶ際に必ずチェックしておきたいのが、3万円台で買えるシャープの「AQUOS wish3(アクオス ウィッシュ スリー)」です。
ここでは、「AQUOS wish3」概要や仕様について5つのポイントを追っておさらい。どんな人が検討すべき端末なのか、改めてチェックしていきましょう。
スマートフォンやスマートウォッチ、タブレットを軸に、ICT機器やガジェット類、ITサービス、クリエイティブツールなどを取材。Webメディアや雑誌に、速報やレビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter:@kira_e_noway
「AQUOS wish3」は、お手頃価格で購入できるベーシックモデルのスマートフォンです。シャープが展開する「AQUOS wish」シリーズの第3世代モデルに相当します。
AQUOS wish3は、大手キャリアだと、6月からワイモバイルが取り扱っているほか、7月から楽天モバイル、8月からNTTドコモが取り扱っています。
また7月には、オープンマーケット向けのSIMフリーモデルも発売されています。ソフトバンクからは法人専用モデルも展開されています。
同機の価格は販路によって異なりますが、シャープ公式のオンラインストアである「COCORO STORE」におけるオープンマーケット向けモデルの価格は3万6300円(税込、以下同)。安価に入手できるエントリー帯の機種としては、定番の選択肢となるでしょう。
主な特徴としては、エントリー帯でありながらも防水、防塵、耐衝撃性能などを備えており、長期間の使用を想定しやすい頑丈さを備えている点が見逃せません。またシニア世代や子どもでも使いやすい設定モードへの切り替えなどができることもポイントです。
そのほかには、再生プラスチック素材の使用率が約60%まで上がり、紙の使用量を削減した小型パッケージを採用するなど、環境への配慮もされていることも押さえておきましょう。
続いてAQUOS wish3の主要な仕様をチェックしておきましょう。まずディスプレイサイズは約5.7インチで、液晶ディスプレイを採用。解像度はHD+です。画面上部にはティアドロップ型のインカメラが配置されています。
端末サイズは、約147(高さ)×70(幅)×8.9(厚さ)mmで、重さは約161g。ボディーのデザインについては、手触りの良い質感や、優しい風合いのカラーバリエーションなどがポイントです。
背面・前面ともにカメラは単眼。背面カメラは約1300万画素で、前面カメラは約500万画素です。こういった仕様は価格相応といった印象です。
一方で画質エンジンには、フラッグシップモデルの「AQUOS R7」の高画質化技術を応用した新画質エンジン「ProPix4 lite」が採用されています。また被写体やシーンを自動で検出して最適なモードで撮影できる「AIオート」や、逆光でもきれいに撮れる「オートHDR」なども採用されており、ミニマルな仕様のカメラでありながらも、日々の写真撮影を楽しみやすいような調整は施されています。
OSにはAndroid 13を搭載。またプロセッサーには低コストな「MediaTek Dimensity 700」を搭載し、メモリは4GB、ストレージは64GBを備えます。外部ストレージは、最大1TBのSDXCカードをサポートします。バッテリー容量は3730mAh。通信面ではnanoSIM+eSIMのDSDV(Dual SIM Dual VoLTE)をサポートしており、5G通信にも対応します。Wi-Fi 6は非対応です。
先述した防水・防塵性能はIPX5・IPX7/IP6Xに、耐衝撃性能は米国国防総省が定める物資調達基準の「MIL-STD-810H」に準拠します。そのほか、NFC・おサイフケータイもサポートします。
現在3万円台で入手できるスマートフォンとしては、「OPPO Reno9 A」や「moto g53j 5G」「Galaxy A23 5G」など、複数の競合モデルがあります。この価格帯でも、既に防水・防塵やおサイフケータイへの対応は一般的になってきたので、AQUOS wish3ならではの仕様としては、耐衝撃性能が重要になるでしょう。耐衝撃性能をそなえたタフネスモデルとしての競合は、ワイモバイルが1月に発売した京セラ製の「Android One S10」などが挙げられます。
この価格帯の競合は光沢感のある仕上げが多い印象ですが、マットで落ち着いた質感にデザインされていることもAQUOS wish3のユニークな点です。
機能としては、シニア世代向けに画面表示を大きく、シンプルにして見やすくする「かんたんモード」に対応することもポイント。さらに子ども向けの「ジュニアモード」も備えており、使いすぎを予防できる「Google ファミリー リンク」や、電源キーを複数回押すことで緊急通報できる「緊急SOS」機能などと合わせて活用可能。子どもに持たせやすいスマートフォンとしても個性が際立ちます。
シャープでは、スマートフォンの「AQUOS」シリーズの現行モデルとして「AQUOS R8 pro」「AQUOS R8」「AQUOS sense7 plus」「AQUOS sense7」「AQUOS wish3」などをラインアップしています。
まず最上位の「AQUOS R8 pro/R8」は、最新技術を活用したフラグシップ/ハイエンドモデルとなっており、価格はそれぞれ20万円弱や14万円前後です。
かつてエントリー向けに展開されていた「sense」シリーズは世代を重ねるごとに、ターゲットとなるユーザー層を少し上げてきており、現在の「AQUOS sense7」はスタンダードモデルとしてミッドレンジ帯の位置付けになっています。5万円台半ばで手が届く価格でありながらも、背面カメラについては他社のハイエンドモデルにも見劣らないセンサーサイズを備えるなど尖った仕様が特徴です。
そして今回解説した「AQUOS wish」シリーズは、ベーシックモデルをうたった入門機という立ち位置になります。
AQUOS wish3は価格が3万円台で手頃です。そのうえで防水・防塵、耐衝撃性能を備えており、中長期間の運用も見据えやすいモデルだと言えます。また「かんたんモード」や「ジュニアモード」を搭載することからも分かるように、連絡手段の確保やインターネットでの検索作業などを目的として、初めてスマートフォンを触るようなユーザーにおすすめの端末でもあります。
一方、AQUOS wish3が搭載するプロセッサーはMediaTek Dimensity 700であり、処理性能は価格相応です。処理の重いゲームなどを楽しむには、やや心許ないと言えるでしょう。
ストレージも64GBと控えめなのでカメラを使った撮影を存分に楽しみたい場合には、外部ストレージの活用などが欠かせません。また、その場合には撮影時の画質などを考慮して、スタンダードモデルの「AQUOS sense7」も比較検討してみると良いと思います。
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