Appleは9月22日、アウトドア用途を意識したアップルウォッチの上位モデルとして「Apple Watch Ultra 2」を発売しました。
新モデル「Apple Watch Ultra 2」は、旧世代のモデルと比べて何が変わっているのか、ポイントをおさらいしていきましょう。
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2022年に発売された初代「Apple Watch Ultra」では、頭脳であるSiP(シリコンインパッケージ)として、A13 Bionicベースの「S8 SiP」が使われていました。これが、23年モデルの「Apple Watch Ultra 2」では、A16 Bionicベースの「S9 SiP」へと進化しています。
トランジスタ数は従来より60%多い56億個にアップ。また4コアのニューラルエンジンを搭載したことで、最大2倍速く機械学習のタスクを処理できるようになっています。
Apple Watch Ultra 2は新たに「ダブルタップ」ジェスチャーに対応します。ウォッチを装着した腕を持ち上げて、画面が点灯した状態で、親指と人差し指などをトントンッと2 回触れるように動かします。このジェスチャーによって画面をタップせずに、文字盤からスタートスタックの表示や、タイマーの停止操作、着信の応答などといったさまざまなコントロールが可能です。
両手がふさがっているシーンや、グローブなどを装着している場面でも、ウォッチをコントロールしやすくなりました。
新たにSiriへのリクエストをオンデバイスで処理できるようになったこともトピックです。つまり、インターネットに接続していないオフライン環境でも、Siriを使った一部のコントロールが利用できます。例えば、タイマーをセットするような操作が、ボイスコマンドで行えるわけです。
一方で、天気の情報を取得するようなリクエストは、従来通りインターネットに接続した状態でないと利用できません。
スタンダードモデルの「Apple Watch Series 9」に関しては、ディスプレイの最大輝度が2000ニトまで上がったことがトピックでしたが、Apple Watch Ultraでは、元々ディスプレイの最大輝度が2000ニトありました。
今回のApple Watch Ultra 2では、最大輝度がさらに3000ニトまで向上しています。屋外でのピーク輝度が向上したことで、直射日光下での視認性がさらに良くなっています。アウトドアウォッチとしても押し出されている「Apple Watch Ultra」シリーズとしては地味なようで重要な変更点となります。
ちなみに、最小輝度は1ニトまで下がるようになっており、就寝時などの利用でも画面の明るさが煩わしくなりづらくなっています。
初代のApple Watch Ultraでは、ストレージは32GBを備えていました。Apple Watch Ultra 2のストレージは倍の64GBまで増えています。
つまり、以前のモデルよりも多くのアプリのインストールや、プレイリストのダウンロードなどができるようになりました。
またS9 SiPには、第2世代のUWBチップが搭載されています。これにより仕様上は、置き忘れたiPhone 15 シリーズまでの位置と距離を確認しながら探せる「正確な場所を見つける」機能や、HomePodのコントロールなどをサポートするようになりました。
しかし、日本国内ではこうした第2世代のUWBチップに関連する新機能は、現状利用できません。
ちなみに、新モデルだけで利用できる変化ではありませんが、これらのほかにも新しい「モジュラーUltra」文字盤が用意されたこと、ウォータースポーツとして「フリーダイビング」がサポートされたことなどにも注目しておきましょう。
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