フリマアプリ「メルカリ」を活用して不用品を売っていると、中には「出品しなければ良かった」と思うものが出てきます。筆者はかれこれ9年ほどメルカリを使っていますが、そう感じたこともありました。
この記事では、実際にどんなものが後悔の対象になったのか、具体的な事例を紹介しつつ、事前にできる対処法を解説していきます。メルカリ出品時の参考にしてみてください。
フリマアプリ・ネットオークションの専門家。2004年、夫が子育てのために会社を辞めたのをきっかけにヤフオク!(当時はヤフー!オークション)を始める。経験を積みながら独自のノウハウを構築。2014年にフリマアプリをスタート。NHK「あさイチ」をはじめとした多数の情報番組に出演し、経験に基づいた実践型のフリマアプリやオークションの魅力を伝えている。また節約や時短が大好きで、安くて便利なアイテムに興味あり。よく利用するのはダイソー。
蒸し料理などに使う「せいろ」を持っていたのですが、なかなか出番がなく、場所も取るのでメルカリに出品しました。大きさは直径20cmほど。2段になっており、台として使用できる鉄板付きです。
幸いすぐに売れたので梱包しようと思ったら、せいろが入る梱包材がなかなか見つかりませんでした。
原因はせいろの独特の形状にあります。底が円形なので、フィットする梱包材を見つけるのは大変でした。段ボールを使おうと思ったのですが、サイズが小さかったり、逆に大きかったり……。梱包に使えそうな段ボールがなかったので、紙袋に変更することに。底が広いと使いやすいので、このときイメージしたのはホールケーキを入れるような袋でした。しかし、そのような袋も見つかりませんでした。
梱包材探しにここまで苦戦するとは思っていなかったので、「売らなければ良かった」と思ってしまったのでした。
これと似たような経験をしたのが、「サッカーボール」を売ったときです。このときも、合う梱包材がなかなか見つかりませんでした。結局大きな紙袋にボールを入れて、形状に合わせて折っていくことで梱包しました。
その当時は、段ボールや紙袋を使わないといけない、と思い込んでいたのです。また、梱包した状態のサイズで送料が決まるので、なるべく商品にフィットするように頑張って梱包していました。
今となっては、段ボールや紙袋にこだわらなくても良かったと思っています。商品をエアークッションで包み、45Lサイズのビニール袋に入れて発送もできたはずです。ビニール袋なら形を自由に変えられるので、商品に合わせた梱包ができます。
100円ショップで45Lの黒のビニール袋が売っているので、筆者はそれを活用しています。中身が見えず、20枚で110円(税込、以下同)なのでコスパも良いです。
メルカリに出品する際、筆者はまず「どの方法で送るか」を考えます。送料を計算した上で、商品の販売価格を決めるためです。でも以前、サイズの確認が甘く、配送方法を見誤った衣服がありました。
「ゆうパケットポスト」で送ることができると思っていたら、実際に梱包してみると箱に入りきりませんでした。そのため、「ゆうパケットプラス」に変更しました。
配送料は、ゆうパケットポストが215円(この他に、1枚5円の発送用シールか、1箱65円の専用箱が必要)、ゆうパケットプラスは455円(この他に、65円の専用ボックスが必要)です。
商品価格は600円ほどだったので、配送料が200円ほど上がると、売上金もギリギリプラスになる程度になってしまいました。梱包や発送の手間を考えると、割に合わないなと思ってしまったのが正直なところです。
販売価格が数千円、数万円なら配送料の違いはあまり気になりませんが、販売価格が数百円の場合は痛手になってしまいます。「この方法で送れる」と確信が持てないなら、いったんサイズを測ってから出品した方が安心です。また、売上金が少なくて手間ばかりかかると思ったら、出品しないというのも選択の1つだと思います。
メルカリも需給のバランスで成立している市場なので、特定の商品の需要が高くなると、販売価格も上がっていきます。出品時の相場はそれほど高くなかったのに、売ってからどんどん上がっていくのを見ると、なんとも悔しい思いでいっぱいになります。
以前出品した“推し活グッズ”もそうでした。売った後、予想以上に相場が上がっていたのです。もう少し売るのを遅らせれば良かった……と思ってしまいました。
一方で、売るタイミングを逃してしまったために、出品できずに処分したものもあります。娘の話ですが、当時ファンだったアーティストが映画に出演するということで、その関連グッズを買い集めていました。もしそのタイミングでメルカリに出品していれば、ある程度の高値で売れたのですが、その時は手放す気はなく……。
その後しばらくしてから売りたくなり、相場を確認したら暴落していました。もちろん相場が戻ることはなく、結局処分することになりました。
メルカリでは、売るタイミングが重要になるものもたくさんあります。そのタイミングを逃すと、利益が出ないので売れないということもあるので、慎重に判断したいところですね。
筆者が以前、漫画の全巻セットをメルカリで売った後、子供に「え? 売っちゃったの?」と言われたことがありました。その漫画はもともと筆者が購入し、もう読む機会がないので出品しました。しかし、筆者が知らないところで子供が読んでいたようで、売ってからその事実を知ったのです。確認しなかった筆者の落ち度もあるため、結局買い戻すことになりました。
その漫画を買い戻したときの購入価格は、売上金とほぼ同じですが、出品時には送料や手数料もかかっているので、トータルでは赤字です。
衣服や化粧品など、明らかに自分だけが使っているものなら問題ありませんが、共通で使えるもの、あるいは同居人が使っている可能性があるものは、出品前に確認するのをおすすめします。
メルカリで売らなければ良かったと思うものもありますが、出品物の多くは売って良かったと思っています。実際のところ売上金が入りますし、家の片付けにもなりますから、メリットの方を強く感じています。あまり怖がらずに、一度メルカリへの出品に挑戦してほしいと筆者は考えています。
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