「登山用インナーにヒートテックを選んでも良い？」よくある質問に元アウトドアショップ店員が回答　登山用インナーの正しい選び方を解説

» 2023年11月17日 11時30分公開

[おかだあきほ，Fav-Log]

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　「登山用インナー」は、汗や熱気を素早く吸い取り、肌をドライに保つことで汗冷えや不快感を防ぎ、体力消耗や低体温症を予防します。そのため、登山をする上でインナー選びは重要です。

モンベルジオライン L.W. Tシャツ（出典：Amazon）

　とはいえ、アウターやバックパックなどとは異なり、他の登山者がどんなインナーを着ているかはフィールドではわかりにくいため、他の人を参考にしにくかったり、さまざまなブランドから似たようなものが販売されていて、迷ってしまったりするのも事実。

　そこで今回は、登山用インナーの適切な選び方を紹介します。

おかだあきほ

フリーランスのライター・編集者。元アウトドアショップ店員。富士登山をきっかけにアウトドアにはまり、登山やキャンプ、トレイルランニングなど幅広いアクティビティを一年中楽しんでいます。自身の山体験や、店員時代の接客経験を生かし、リアルで深い内容を発信！リモートワーカーのため、仕事や日常を快適かつ生産的に行うためのガジェット選びも得意です。

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登山のインナー選びは重要　綿はダメなの？

　アウターやトレッキングパンツなど、他の登山ウェアと比べると地味な印象があるインナー。しかし、肌に直接触れるウェアだからこそ、その良し悪しが登山中の快適さや疲れにくさ、安全性に深く関わります。

　また暑い季節だけに限らず、秋冬など肌寒い時期の登山でも汗をかいたり、服の中に熱がこもったりすることがあるため、季節を問わずインナー選びが重要なのです。

登山のインナー選びは重要

　普段着ている綿素材のインナーで良いのでは？　と思う人もいるかもしれませんが、綿素材は基本的に避けた方がベター。綿は吸水性が高い一方で、速乾性が低いという特徴があります。

　そのため汗を吸い取ることはできても、それを蒸発させることができず、行動中ずっと服の中がぬれている事態に。不快感や汗冷えにつながり、体力を消耗してしまい危険です。

登山にヒートテックはOK？

　気温が低い山では、発熱性や保温性に優れたヒートテックが良さそうだと思いがち。しかし、ヒートテックを山で着るのは基本的にNG。ヒートテックは、汗を吸収して発熱するという構造で体を温めてくれるインナーですが、登山中は服の中が必要以上に熱を持つオーバーヒートにつながることも。

ヒートテックを山で着るのは基本的にNG

　また、ヒートテックにはレーヨンが含まれています。レーヨンは吸湿性に優れている一方で、放湿性が低く乾きにくい性質があるため、汗をなかなか発散してくれません。そのため、外気に触れて汗が冷えることで、かえって体温が奪われる可能性もあります。

　肌寒い時期に街ではとても重宝するヒートテックですが、上記の理由から、たくさん汗をかく登山では使用しない方がよいでしょう。

吸湿速乾性の高い化学繊維のものがおすすめ

　登山用インナーを選ぶ際には、ポリエステル100％など吸湿速乾性の高い化学繊維のものを選ぶのがおすすめです。かいた汗を素早く吸い取り、蒸発させることで服の中を常にドライに保ってくれます。

　また、細かいメッシュになっているものなど、通気性の高いものを選ぶと、服の中の熱気も適度に逃がしてくれるので快適に歩き続けられます。

モンベルジオライン L.W. Tシャツ（出典：Amazon）

　季節や好みにもよりますが、半袖のインナーは脇の汗をしっかりと吸い取ってくれるのでおすすめ。汗冷えで不快に感じることがなく、保温性のあるソフトシェルやフリースを上に重ねた際にも、その性能を最大限に高めてくれます。

気温が低い日はメリノウール入りのものを

　秋冬の肌寒い日や、雪のある山に行く際には、化学繊維に加えてメリノウールが混紡されている保温性の高いものを選ぶとよいでしょう。メリノウールは肌触りがよく保温性が高いうえ、吸汗性が高く汗冷えもしにくいという特徴があります。加えて防臭性も高いため、長時間着続けていてもにおいにくいメリットも！

ファイントラックメリノスピンサーモフーディ（出典：Amazon）

　気温の低い日には、手首まで温めてくれる長袖タイプや、首元や耳、頭部まで寒さから守れるフーディタイプを選ぶのがおすすめ。シンプルなカラーやデザインのものが多いため、ヒートテック代わりに街でも着られます。

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