気になるゲームタイトルがパソコン向けにしか発売されず、家庭用のゲーム機ではプレイできない――そんな悩みを持つ人は少なくないのではないでしょうか?
最近でも爆発的な売り上げスピードやキャラクターデザインなど、さまざまな理由で話題になった「パルワールド」は、パソコンとXbox向けにしか発売しておらず、歯がゆい思いをしている方もいるでしょう。
しかしスペースなどの問題からゲーミングPCを買うのも難しい――そんな人におすすめなのが「ハンドヘルド型ゲーミングPC」です。
ここでは、ハンドヘルド型ゲーミングPCとはどういうものなのか、そして代表的な機種の特徴や価格感をチェックしていきます。
スマートフォンやスマートウォッチ、タブレットを軸に、ICT機器やガジェット類、ITサービス、クリエイティブツールなどを取材。Webメディアや雑誌に、速報やレビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter:@kira_e_noway
「ゲーミングPC」といえばデスクトップ型やノートパソコン型などが主流でしたが、ここ数年は家庭用携帯ゲーム機のような形状をした製品が数を増やしています。
以前から小型・超小型のノートパソコン型デバイスを指す「ポータブルゲーミングPC」や「UMPC(ウルトラモバイルPC)」といった呼称はありましたが、それらと区別するように「ハンドヘルド型ゲーミングPC」や「ハンドヘルドゲーミングPC」といった表現が使われ始めています。
「ハンドヘルド型」と言えるのは、端末の左右端にゲームパッド(コントローラー部分)が備わっており、その中央にディスプレイが配置されたデザインをした端末です。
別途ゲームコントローラーを用意しなくてもPC本体のみでゲームをプレイできるため、携行しやすいのがメリットと言えます。現状このジャンルの製品は、Windowsで駆動するタイプが大多数を占めています。
ハンドヘルド型ゲーミングPCを選択するメリットとして、まずPC向けのゲームストアを通じて、さまざまなタイトルを遊べることが挙げられます。
一般的な家庭用ゲーム機向けには提供されていないAAAタイトルなども遊ぶことができるので、家庭用ゲーム機のみ持っている人に比べて遊べるタイトルが広がります。
またパソコン向けのゲームタイトルを手持ちで遊ぶことができるため、ベッドやソファで寝転がりながら遊んだり、電車などでの移動中もゲームをプレイできたりするといったメリットも加わります。
製品によっては、ドッキングステーションなどを介して、TVに映像・音楽を出力することも容易にできます。家庭用ゲーム機のような体験を、ゲーミングPCでありながら実現できるというわけです。
ハンドヘルド型ゲーミングPCにはデメリットもあります。1つは家庭用ゲーミングPCと比べて価格が高いこと。コンパクトとは言え、ゲーミングPCなので安い製品でも10万円近い価格で、高額な製品では20万円を超えることもあります。
家庭用ゲーム機が4〜5万円で手に入ってしまうことを考えると、人を選ぶ製品だと言えます。
また場所を問わずに処理の重いゲームなどを遊べる反面、バッテリー消費が大きく、バッテリー持ちが短いことも見逃せない課題です。
基本的に、電源を接続した状態でないと長時間のプレイには向かないと考えておきましょう。本体重量が重い製品も多いため、肝心のハンドヘルド(両手持ち)スタイルで遊ぶ際に、体勢によっては手が疲れやすいという点も気をつけなくてはなりません。
最近発売された注目の製品として、レノボ・ジャパンが2023年12月に発売した「Lenovo Legion Go」が挙げられます。
同製品は8.8インチの144Hz駆動に対応したディスプレイを備えたハンドヘルド型ゲーミングPCで、プロセッサーには8コア16スレッドのAMD Ryzen Z1 Extremeを搭載。ストレージは512GBを備えます。
ユニークなのはゲームパッド部分を取り外すことができ、さまざまなスタイルでプレイできることです。
両手で持つ「ハンドヘルドモード」、コントローラーを取り外した「デタッチャブルモード」、付属のコントローラードックにコントローラーを装着してマウスのように使う「FPSモード」などで遊べます。
またUSB Type-C(USB4)ポートを2基備えているので拡張性が高く、外部機器と接続しやすいことも見逃せません。
製品価格は13万4800円(税込)。専用のキャリングケースもセットで付いています。ハンドヘルド型ゲーミングPCとしての完成度も高く、コストパフォーマンスの良い選択肢だと言えるでしょう。
その他の機種については、後編にて紹介します。
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