3月に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催された「サイクルモードTOKYO」は、スポーツ自転車をメインとするフェスティバルですが、実はマニアックな「折りたたみ自転車」も多数展示されていました。これからの行楽シーズンにピッタリなモデルを厳選して紹介します。
モーターサイクル&自転車ジャーナリスト。短大卒業後、好きが高じて二輪雑誌の編集プロダクションに就職し、6年の経験を積んだのちフリーランスへ。ニューモデルの試乗記事だけでもこれまでに1500本以上執筆し、現在進行形で増加中だ。また、中学〜工高時代はロードバイクにものめりこんでいたことから、10年前から自転車雑誌にも寄稿している。キャンプツーリングも古くからの趣味の一つであり、アウトドア系ギアにも明るい。
フランスの自動車メーカー「Renault(ルノー)」の公式ライセンスを取得した自転車です。最新のラインアップは、ホイール径の違いによって14インチ、16インチ、20インチ、そして24インチと4種類に大別でき、20インチの1車種を除いて全て折りたためるように設計されています。
中でも「ライト」シリーズは、その名のとおり軽さを重視しているのが特徴で、車名の末尾にある数字は重量を表しています。ここに紹介する「ライト8」は、公称重量が約8.3kgですので、2リットルのペットボトルおよそ4本分と考えると、だいたいの重さが想像できるでしょう。
ホイール径は14インチで、フレームはスチールよりも軽量なアルミ製。変速機を持たない、いわゆるシングルスピードですが、その分だけ軽いというのがポイントです。ステンレス製のスポークや防せいチェーンなど、さびをできるだけ発生させないパーツ構成も見逃せません。公式サイトでの表示価格は4万8510円(税込、以下同)です。
大阪の金属加工メーカーであるテック・ワンが、走りやすさと持ち運びやすさを両立するべく開発したのが「カラクル」です。「カラクル-S」は、折りたたんだ状態での高さがわずか65cmで、しかも幅は20インチのタイヤ径とほぼ同じに収まるので、市販のスーツケースにも収納できるというのが最大のポイントです。
フレームとフォークはアルミ製で、JISの厳しい耐久性試験にも合格しています。ベーシックな標準仕様は9段の変速機を採用。リヤに高性能なサスペンションを装備しながら、重量は約10.3kg(ペダルを除く)と比較的軽量に仕上がっています。
キックスタンドやリヤキャリア、専用のスーツケースなど、純正アクセサリーが豊富にそろっているのもカラクルシリーズの特徴で、自分好みにカスタマイズしながら長く楽しめるのも魅力でしょう。公式サイトでの表示価格は17万1600円です。
折りたたみ自転車の代名詞とも言える存在が、イギリス生まれのブロンプトンです。1975年に誕生して以来、およそ50年もの間基本設計を変えずに生産されており、世界的に人気を博しています。その証拠に、今回のサイクルモードTOKYOでもひときわ多くの人でにぎわっていました。
折りたたんだ状態でのサイズは、高さが580mm、幅が590mm、奥行きが270mmで、驚くほどコンパクトになります。折りたたむと前後のホイールに挟まれる位置にチェーンが来るので、持ち運んでいる際にチェーンオイルで服を汚すことがありません。
また、接地する場所にはローラーがあるので、ハンドルだけ起こせばコロコロと転がすこともできます。しかも、折りたたみに要する時間はわずか20秒。慣れれば10秒を切ることも可能など、全てにおいて合理的な設計となっているのです。
ラインアップはCライン/Pライン/Tラインの3種類に大別でき、Cラインは最もベーシックなシリーズです。Pラインは、Cラインをベースにフォークとリヤフレームをスチールからチタンに置き換えたもので、2kgほど軽いのが特徴です。
2023年に登場したばかりのTラインは、チタンのメインフレームにカーボンフォークを組み合わせるなど、軽さを徹底追求したハイエンドシリーズ。価格は90万円に迫りますが、走りの快感と乗り心地の良さはCラインやPラインとは別次元です。
純正アクセサリーだけでなく、サードパーティーのアフターマーケットパーツが豊富なところも、世界的に人気のあるブロンプトンならではでしょう。ここ2〜3年で急に価格が上がってしまいましたが、それに見合う価値は十分にあると言えます。
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