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「サマータイムレンダ」の聖地巡礼! 和歌山の無人島「友ヶ島」は映えスポット満載だった

» 2024年07月20日 10時15分 公開
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 皆さんは無人島を訪れたことはありますか? 紀淡海峡に浮かぶ「友ヶ島」は、大阪市内からもアクセスしやすく、要塞時代の砲台跡が「天空の城ラピュタ」の世界観に似ていることから、近年になって人気が高まってきた無人島です。実際に訪れた筆者が、おすすめスポットを紹介します。

フォト ※イメージ

大屋 雄一

大屋雄一

モーターサイクル&自転車ジャーナリスト。短大卒業後、好きが高じて二輪雑誌の編集プロダクションに就職し、6年の経験を積んだのちフリーランスへ。ニューモデルの試乗記事だけでもこれまでに1,500本以上執筆し、現在進行形で増加中だ。また、中学〜工高時代はロードバイクにものめりこんでいたことから、10年前から自転車雑誌にも寄稿している。キャンプツーリングも古くからの趣味の一つであり、アウトドア系ギアにも明るい。

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サマータイムレンダに登場する日都ヶ島が友ヶ島

フォト 友ヶ島で最も標高が高いタカノス山展望台からの景色。中央が神島

 紀州と淡路島の間にある紀淡海峡。ここに浮かぶ友ヶ島は、地ノ島、虎島、神島、沖ノ島という4つの無人島の総称で、最も面積の大きな沖ノ島へは、和歌山市の加太港から定期フェリーで渡ることができます。大阪駅から加太港までは車でおよそ1時間半、鉄路なら2時間強で着くので、比較的アクセス良好な無人島と言えるでしょう。

 千葉県在住の筆者が、わざわざ和歌山県の友ヶ島へ訪れた理由はたった一つ。「サマータイムレンダ」というアニメの舞台になった島を見てみたい。いわゆる聖地巡礼です。アニメツーリズムとも呼ばれており、北は北海道から南は沖縄まで、気に入った作品の舞台を次々と訪れています。

 彼の地へ足を運び、アニメで使われた背景と目の前の景色がバチッと合致したときの快感たるや。そして、もう一度作品を見返すと、脳内ではまるで4Kで再生されているかのように解像度がグッとアップします。これが聖地巡礼の醍醐味と言ってよいでしょう。

フォト メインキャラクターの小舟潮を和歌山市初となるアニメ観光大使に任命

 サマータイムレンダは、和歌山市出身の田中靖規氏が少年ジャンプ+で連載していた全139話の離島タイムループサスペンスで、漫画アプリでの累計閲覧数はすでに1億5000万回を突破しています。

 TVアニメは全25話で、2022年4月にスタート。同年11月よりAmazonプライムなどでも配信が始まりました。個人的にタイムループものはあまり好きではないのですが、この作品についてはSFサスペンスの作り込みに脱帽。

 そして、重要なシーンで登場するレンガ作りの建築物の数々が実在すると知り、いてもたってもいられずバイクで和歌山を目指して走り出したのです。

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友ヶ島へのアクセスは友ヶ島汽船の定期フェリーのみ

フォト 友ヶ島汽船は2隻体制。船名は「ともがしま」と「ラピュタ」

 和歌山市の加太港から友ヶ島(沖ノ島)へ渡るには、友ヶ島汽船のフェリーを利用します。始発は朝9時ですが、筆者が到着した日の7時半ごろにはすでに5〜6人の待機列が。乗船券売り場の人に聞いたところ、やはりアニメの効果は大きいのだそう。

 そして、3月から12月までは基本的に1時間置きに運航しているのですが、お客さんが多いときには臨時便を出すとのこと。ちなみに筆者は、突然知らされた始発前の8時30分の臨時便で友ヶ島へ渡ることができました。

フォト 乗船券は大人往復2200円。帰りに加太港にてこのチケットが回収される
フォト ともがしまのテラス席。網代慎平と南方ひづるが繰り返し出会うことになる場所だ
フォト 友ヶ島の船着き場である野奈浦桟橋。キービジュアルの構図を意識して撮ったカット

島内は案内看板が充実 約3時間で主要スポット巡りが可能

フォト 乗船券売り場の隣にある売店で入手。右のパンフレットは必携のこと

 フェリーに揺られることおよそ20分で、友ヶ島の野奈浦桟橋に到着します。さあ、いよいよ無人島に上陸です!

 桟橋の近くには、島内唯一の飲食店である「らぴゅカフェ」が、その近くには島に1軒だけある宿泊施設「海の家」があり、 ドリンクやフードが入手できるのはこのエリアだけです。特に暑い時期は熱中症を防ぐためにも、十分な飲料を用意しておきましょう

フォト 桟橋近くにある管理事務所。サマレンでは日都ヶ島駐在所として登場

 同じフェリーでやってきた観光客は、釣り場に行ったりキャンプ場を目指したりと、目的がそれぞれ異なるので、30分もすれば桟橋の前にある野奈浦広場から人がほとんど消えます。聞こえるのは風と波の音ぐらいで、無人島に足を踏み入れたことを実感します。

 和歌山市観光課が製作したパンフレットには、ハイキングのモデルコースが3パターン掲載されています。最も長いコースでも3時間30分ほどで巡れるので、朝イチに上陸すれば昼過ぎの便で帰れることになります。

 このマップの良いところは、現地に立てられている案内看板とコース上の誘導番号がリンクしていることで、現在地がすぐに分かることです。山歩きに不慣れな人も、これなら安心でしょう。

フォト 実際の案内看板。目的地までの距離や方向が分かりやすく示される

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まるで時が止まったかのような砲台跡の多さに驚く

フォト 第2砲台跡。建造物を覆い尽くそうとする木々の生命力に息をのむ

 1889年、大日本帝国陸軍は大阪湾防衛のために、友ヶ島をはじめ淡路島の由良地区、そして和歌山市の加太地区に砲台を計25カ所設置しました。1889年は明治22年で、当時は江戸時代からの流れで海防が重要視されていましたが、昭和に入ると空からの攻撃が主となったため、これらの砲台は1発の砲撃も行わずに終戦を迎えました。そのため、砲台跡がきれいに残っているのです。

フォト 第3砲台に隣接された弾薬支庫。島内で最も人気の高い映えスポット
フォト 弾薬支庫を内側から。サマレン第6話の重要なシーンでこの構図が登場
フォト 第3砲台の砲座跡。ここに至るトンネル内ではスマホのLEDライトが必要
フォト 第1砲台跡に通じる入口の門。ここも重要なシーンで登場している
フォト 友ヶ島灯台の西側にひっそりとある日本最南端子午線塔

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半日で完結する無人島トリップ 夏休みの観光にもおすすめ

 サマータイムレンダを視聴した人であれば、「あれっ、日都ヶ島って人が住んでいるのでは?」と、疑問に思われたでしょう。

 調べたところ、作中の島内の町並みは和歌山市の田野地区や、香川県高松市の男木島などがモデルになっているようです。とはいえ、砲台跡などはかなりリアルに描かれており、ファンであれば訪れる価値大と断言できます。

フォト サマレンの「コバマート」のモデルである小嶋一商店は加太港の近くにあり

 いかがだったでしょう。筆者にとって、この作品を観なければ一生訪れることはなかったであろう友ヶ島。明治時代に建てられた数々の砲台跡を巡るうちに、まるでこの島だけ時間の進み方が遅くなっているような錯覚に陥りました。

 筆者は聖地巡礼を目的に訪れましたが、釣りやキャンプだけでなく、動植物の観察がてらハイキングを楽しむ人も多いとのこと。映えスポットも豊富ですし、この夏休みの観光に検討されてみてはいかがでしょうか。

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