お金がなかなかたまらない人の家には、「ものが多い」「片づいていない」といった共通点があると感じます。それは、無駄な出費や効率の悪い生活習慣が隠れていることが多いので、一見関係なさそうな「整理整頓」が実はお金の使い方やたまり方に関係しているかもしれないのです。
この記事ではFPの視点から、「お金がたまらない人の家にありがちなもの」をピックアップ! 整理整頓をすることで、お金の使い方や習慣を見直すことができます。「これ、うちにたくさんある……」という人は、ぜひこの機会に見直しをして、お金をためられる習慣を作っていきましょう!
石倉博子
ファイナンシャルプランナー(1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP認定者)。
“お金について無知であることはリスクとなる”という私自身の経験と信念から、子育て期間中にFP資格を取得。実生活における“お金の教養”の重要性を感じ、生活者目線で、分かりやすく伝えることを目的として記事を執筆中。大学では美学美術史と油絵を学び、文学と造形の学士を取得。しかし今は芸術とは程遠いお金の計算に情熱を燃やす人間になっている。伏線がきれいに回収された小説を読むのが好き。
「あ、これ欲しい!」と勢いで買ったものの、ほとんど使わずにしまい込んでいる家電や道具がたくさんあったら要注意です。例えば、美容家電や調理家電、健康器具、IT関連のガジェットなどです。
これらは言いかえれば「買い物の失敗」の数でもあります。買い物の癖を見直さない限り、同じことを繰り返してしまうでしょう。
ものを買うときは、本当に必要なものかどうかじっくり考える習慣を持つことが大切です。使っていないものがあれば、リサイクルショップやフリマアプリを利用して、現金化するとよいでしょう。
ブランドショップの紙袋(ショッパー)など、捨てるのがもったいないとため込んでいませんか? 空き箱や空き容器なども「いつか使うかも」と思って捨てずに取っておくと、どんどんたまって限られた収納スペースを占拠します。
それぞれの種類で2個まで残して、あとは思い切って捨ててしまいましょう。結局使わないことがほとんどです。
冷蔵庫の中やストック棚に、賞味期限切れの食品が入っていませんか? 勢いで買って結局使わなかった食材や、多めに買って余ってしまった食材などを捨てられずに、冷蔵庫やストック棚を占拠していたら要注意です。
無駄な買い物をしている証拠なので、買い物習慣を見直しましょう。また、賞味期限が切れてしまうということは、ストック過多になっている可能性があるので、在庫管理もしっかりしましょう。
セール品や流行ものなどを買ってみたものの、結局ほとんど着る機会がなく、「いつか着るから」と捨てずに取ってありませんか? 今年着なかった服は来年も着ない確率が高いです。
たくさん服があると把握しきれず、同じような服をまた買ってしまうことになり、お金の無駄になります。1着買ったら1着捨てるルールで、服をため込まないようにしましょう。
アイデア商品に弱く、便利グッズをついつい買ってしまい、キッチンや洗面台、引き出しなどが便利グッズに占拠されていませんか? 本当に便利で頻繁に使っているなら問題ありませんが、最初だけ使って放置されているものが多いなら、買い物依存になっている可能性があります。
便利であっても頻繁に使わないものは、従来のもので事足りることがほとんどです。用途が限定されがちな便利グッズは、使用頻度の高いもの以外は買わない癖をつけましょう。
「無料だから」「いつか使うから」と、ホテルでもらったアメニティーが家にいっぱいたまっていませんか? 他にも、イベントでもらったボールペンやグッズなど、知らぬ間にたまっていないでしょうか。
もったいない精神で捨てずにいると、収納スペースをどんどん圧迫してしまいます。もったいないからと言って、使わないものでスペースを占拠することも「スペースがもったいない」と考えましょう。
プラスチック製品は安価なものが多く、100均などでよく売られています。部屋を見回してプラスチック製品が目に付くようなら、100均などで“なんとなく買う”買い物が積み重なっているせいかもしれません。
これらのものは使い捨てになる傾向があり、“安物買いの銭失い”になることも。多少値が張っても、長く使えるものを買った方が結果的にはお得ということもあります。良いものを長く使うという考え方に切り替えると、“なんとなく買う”といった買い物をしなくなるでしょう。
来客用の食器やキャンプ用品など、年に数回しか使わないものにお金をかけていませんか? たまにでも使うならまだしも、まったく使わずにしまい込んだまま、存在すら忘れてしまっているケースもあるでしょう。
こうした“見栄のための出費”は、気づかぬうちに無駄づかいになってしまうことがあります。
しまい込んで使わないくらいなら、普段使いにするか、リサイクルショップで売って有効活用するのがおすすめです。また滅多に使わないものは、必要なときだけレンタルで済ませるとお金とスペースの節約になります。
ここで紹介した8つの項目の中に、思い当たるものはありましたか?
家の中の状態を見ると、その人のお金の使い方や生活習慣が見えてきます。ものであふれた家には、無駄づかいが習慣化している傾向があり、不要なものを整理して空間をすっきりさせることで、「何が本当に無駄だったのか」が見えてくるはずです。
もちろん、ものを買うことで暮らしの質が上がることもありますが、不要なものに囲まれていると、かえって生活の質が下がってしまうこともあります。
「何が必要で、何が不要か」を見極める力をつけることで、無駄な出費が減り、本当に価値のあるものにお金を使えるようになります。そんな習慣が身につけば、自然と支出が整い、お金も少しずつたまっていくはずです。
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