6月に開催されたAppleの開発者向けイベント「WWDC 26」で、Apple Watchの最新OSである「watchOS 26」の概要が明かされてから早くも数カ月。今年からはナンバリングが「26」となり、次年の西暦の下二桁が使われるようになっていますが、実際は2024年秋にリリースされた「watchOS 11」の後継バージョンです。
そんなwatchOS 26も、パブリックベータが7月から公開され、いよいよ今秋の正式リリースまでもあと少しというタイミングとなりました。
ここでは「watchOS 26」の改めて注目した新機能や、期待したいポイントをチェックしていきます。
井上晃
スマートフォンやスマートウォッチ、タブレットを軸に、ICT機器やガジェット類、ITサービス、クリエイティブツールなどを取材。Webメディアや雑誌に、速報やレビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter:@kira_e_noway
watchOS 26では、画面のUIに「Liquid Glass」と呼ばれる新しいデザイン基準が採用されます。つまり、表示されるアイコンやボタンなどのデザインに関する統一ルールがガラッと変わることになります。
既存ユーザーにとっては、改めて新鮮な気持ちでApple Watchに向き合う機会になるかもしれませんね。
ちなみに、どうやら大きく変わるのは見た目の雰囲気だけで、操作性については、おそらく従来のままで維持されそうです。watchOS 10で「コントロールセンター」の操作方法などが変わった時のように、既存ユーザーが使いづらいと感じる“強引な変更”ではなさそうなのは、ひと安心です。
「ワークアウト」アプリのレイアウトがガラッと変わることにも注目です。
具体的には、四隅にメニューのアイコンが並び、各種機能へのアクセスが容易になるとされています。
旧アプリのデザインに慣れていると、変更にしばらく戸惑うことになるかもしれません。しかし、個人的にはそもそも旧デザインのUI構成は、ずっと使いづらいと感じていたので、新OSのUIでは文字通り直感的に扱えるようになることに期待したいところです。
特に、楽曲やポッドキャストの再生が行いやすくなるとうたわれているので、この辺りの使い勝手をじっくり確かめたいですね。
またApple Intelligence対応iPhoneを携行しつつ、ワイヤレスイヤホンなどを接続している状態でワークアウトを利用する場合、「Workout Buddy」なる音声でのコーチング機能が使えるようになったこともトピックです。
これはwatchOS 26における目玉機能ですが、残念ながらリリース時は英語のみの対応となりそうです。
Apple Intelligence関連では、「メッセージ」アプリでライブ翻訳が使えるようになるのがトピック。受信したテキストを日本語を含めた主要対応言語に翻訳できるほか、返信のテキストも相手に合わせて翻訳される仕組みです。
同機能を使えるのは、いまのところ「Apple Watch Series 9」「Apple Watch Series 10」「Apple Watch Ultra 2」の3モデルのみ。Apple Intelligence対応のiPhoneとペアリングした状態であれば、これらの機能を利用できるとのことです。
精度を高めた「スマートリプライ」機能や、文脈に応じたアクションの提案をしてくれる機能などもあるのですが、これらを使えるのはデバイスの言語が英語に設定されている場合のみとなります。
ジェスチャー操作に関しては、手首を小指側にくるっと回して戻す「手首フリックジェスチャ」に注目。これは「Apple Watch Series 9」「Apple Watch Series 10」「Apple Watch Ultra 2」で利用できる新機能です。
具体的には、腕を持ち上げて表示された通知を再度非表示にすることや、着信時の通話拒否、タイマーやアラームが再生しているときの消音、文字盤に戻る操作などを実行可能になります。
従来もこれらの機種では「ダブルタップジェスチャ」による操作がいくつか行えましたが、操作の自由度は限られている印象でした。一方、今回新たに手首フリックジェスチャが使えるようになることで、手がふさがっている時にも、片手でより多くの操作が可能になるはずです。該当機種のユーザーにとっては、特に期待度の高い進化点と言えるでしょう。
周囲のノイズに合わせた音量の自動調整や、電話アプリの保留アシスト&着信スクリーニング、写真文字盤のシャッフル表示など、多くの新機能が追加されますが、実用面で特に注目しておきたいのが「メモ」アプリの登場です。
ずっとなかったのにどうしてこのタイミングで? という疑問はありますが、ウォッチでテキストでの記録ができるようになるのは大歓迎。キーボード入力を始め、音声入力や、Siriなども使ってメモの記録ができることで、ウォッチの使い勝手が広がりそうな予感がします。
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