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スマホやパソコンで録画した番組が見られる! ネットワークレコーダーの 定番「nasne(ナスネ)」の特徴を解説(1/5 ページ)

» 2025年12月11日 18時40分 公開
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 録画したテレビ番組をパソコンやスマートフォンを使って、どこでも見られるように設定できるネットワークレコーダー。このジャンルで知名度が高く代表格の製品が「nasne(ナスネ)」です。

バッファロー nasne NS-N100 バッファロー nasne NS-N100(出典:Amazon

 しかし、11月にパナソニックが競合製品となる「miyotto(ミヨット)」を発売。その完成度は高く、新規購入を検討する際にはどちらを買うべきか悩むことになりそうです。

 そこで今回は、「nasne」の特徴やどんな人に向いているのか解説していきます。

井上晃

井上晃

スマートフォンやスマートウォッチ、タブレットを軸に、ICT機器やガジェット類、ITサービス、クリエイティブツールなどを取材。Webメディアや雑誌に、速報やレビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter:@kira_e_noway


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「nasne」とは?

 まず初めに、「nasne(ナスネ)」のバックグラウンドが非常にややこしいので、情報検索時の混乱を招かないよう、前提知識をおさらいしておきましょう。

 そもそも「nasne」とは、2012年にSIE(ソニー・インタラクティブエンタテインメント、当時のSCE:ソニー・コンピュータエンタテインメント)が発売したネットワークレコーダー・メディアストレージのロングセラー商品でした。

 同社のゲーム機「PlayStation」シリーズやパソコン、スマホと接続してテレビの視聴や録画できる製品として人気でしたが、2019年、SIEは3代目モデルの「nasne(CUHJ-15004)」を最後に同シリーズの販売を終了。この背景には、当時使用していた半導体チップのメーカーが後継チップを開発できずにおり、レコーダー市場も縮小にあったことも伴って、SIEが後継モデルの発売を断念したという事情がありました。

 しかし、「nasneがなくなるのはもったいない」という声が多かったことから、Wi-Fiルーターなどでおなじみのバッファローが交渉し、「nasne」のノウハウをSIEから継承することに。2020年10月に発表され、約半年後の2021年3月にバッファロー製「nasne(NS-N100)」が発売されました。

バッファロー nasne NS-N100 バッファロー nasne NS-N100(出典:Amazon

 こういった経緯から、現在nasneに関する情報を調べると、SIE製の旧世代モデルとバッファロー製の新世代モデルの2系統のものがヒットします。ただし、SIE製の旧世代モデルについては、2024年7月にアフターサービスが終了すること、そして2027年7月末以降に一部機能の提供も終了することが告知されている状況です。一方で、バッファロー製の新世代モデルには、大きな影響はないとされています。

 つまり、2025年現在、新規でnasneを購入する場合は、基本的には2021年3月に発売されたバッファロー製品の「nasne(NS-N100)」を指すことを理解しておきましょう。

 公式サイトでの価格は3万6800円(税込、以下同)。メーカー販売終了品や整備済み品として、旧世代のSIE版を安価で出品されているのも見かけますが、限定的な運用方法を理解している人以外は避けた方が良いでしょう。

 ちなみに、製品本体ではなく、nasneに関するソフトウェア・アプリに関しては、その後もSIEが提供しています。

「nasne」の特徴

 nasneの製品概要をチェックしていきましょう。なお、以下に解説する情報はバッファロー版のものです。

 nasneは“ネットワークレコーダー”のため、宅内にネット環境が必須で、最低でも3つの有線接続が必要です。

  1. 本体と電源ケーブルをつなぐ
  2. 壁のアンテナ端子とnasne本体をアンテナケーブルで接続する
  3. nasne本体とWi-FiルーターをLANケーブルでつなぐ
テレビで視聴したい場合のnasneの接続例 テレビで視聴したい場合のnasneの接続例(出典:バッファロー公式サイト

 テレビでの視聴には「PlayStation 4」や「PlayStation 5」などが必要で、スマホ・タブレットは「torne mobile」、Windowsパソコンは「PC TV Plus」など、デバイスごとに必要なアプリや名称は異なります。しかし、いずれも基本的な接続方法の流れは共通しています。

「nasne」の設置で気を付けたいこと

 接続において重要なのは、接続にLANケーブルが必要ということ。Wi-FiルーターからLANケーブルを伸ばすことになるので、テレビやWi-Fiルーターの配置によっては、長くケーブルを引かなければならない場合も出てくるでしょう。

 また、nasneが内蔵するチューナーは1つのみのため、同時に録画できる番組は1つのみで、録画中はその番組のみを視聴できる仕組みになっています。そのため、ある番組を視聴しながらほかの番組を録画したい場合(裏録)は、nasne自体を複数台接続する必要があるので注意が必要です。

バッファロー nasne NS-N100 バッファロー nasne NS-N100(出典:Amazon

 nasneには、たっぷりと2TBのHDDが内蔵されていますが、録画容量が足りないと感じる場合にはストレージの拡張も可能です。

 nasne背面のEXT HDD(外付けハードディスク)端子(USB2.0)に、外付けHDDを接続し、USBケーブルで接続して「nasne HOME」の画面から登録作業を行うことで、最大+6TBまでの拡張が可能。なお、USBメモリや外付けSSDを使った拡張には対応していません。

 こうした仕様を踏まえると、nasneはパソコンやネットワーク機器の扱いに慣れている人向きといえるでしょう。

「miyotto」とは?

 一方「miyotto(ミヨット)」とは、パナソニックが11月に発売した新しいネットワークレコーダーです。

出典:パナソニック 出典:パナソニック

 先述したバッファロー製「nasne(NS-N100)」が3万6800円だったのに対して、「miyotto(UN-ST20A)」は5万4450円で、1万7000円ほど高価なのが特徴。後発の製品ということもあって、競合のnasneをよく分析している印象を受けます。

 後編では、miyottoの詳細をチェックしたうえで、2製品の性能とメリット・デメリットを比較していきましょう。

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