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部屋全体を「セラミックファンヒーター」で暖めてはいけない!? FPが教える正しい暖房の役割分担とは【2026年1月版】(1/2 ページ)

» 2026年01月29日 10時39分 公開
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 コンパクトで値段も手頃な「セラミックファンヒーター」は、暖房器具として取り入れやすいため利用している人は多いでしょう。なかには、「電気代がもったいないから、エアコンをつけずにセラミックファンヒーターで済ます」という使い方をしている人もいるかもしれません。

フォト セラミックファンヒーターをお得に使うには(出典:photo-ac.com)

 暖房器具は適材適所で使わないと、かえって電気代を無駄にします。セラミックファンヒーターはどのような使い方が適しているのか、役割分担を意識した正しい使い方をFPが解説します。

石倉博子

石倉博子

ファイナンシャルプランナー(1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP認定者)。

“お金について無知であることはリスクとなる”という私自身の経験と信念から、子育て期間中にFP資格を取得。実生活における“お金の教養”の重要性を感じ、生活者目線で、分かりやすく伝えることを目的として記事を執筆中。大学では美学美術史と油絵を学び、文学と造形の学士を取得。しかし今は芸術とは程遠いお金の計算に情熱を燃やす人間になっている。伏線がきれいに回収された小説を読むのが好き。


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セラミックファンヒーターとエアコンの電気代を比較

 セラミックファンヒーターは、熱源から発生した暖かい空気をファンで送り出す仕組みのヒーターです。温風が出るため、小型のエアコンのような感覚で使っている人も多いのではないでしょうか。そこで、セラミックファンヒーターとエアコンの電気代を比較してみましょう。

セラミックファンヒーターの電気代

フォト パナソニック セラミックファンヒーター DS-FAN1200(出典:Amazon

 一般的なセラミックファンヒーターは、弱で600W前後、強で1200W前後となっています。

 電気料金単価を31円/kWhで計算すると、弱運転で1時間あたり18.6円、強運転で1時間あたり37.2円となります。

 部屋全体を暖めようとして、強運転で1日8時間使用したとすると、1日の電気代は297.6円、1カ月では8928円になります。

エアコンの電気代

 一方、エアコンの電気代はどのくらいでしょうか。

フォト 日立 エアコン 10畳 RAS-AJ2825S(出典:Amazon

 10畳タイプ(冷房能力2.8kW)の暖房時の消費電力を見てみると、700W前後となっています(出典:資源エネルギー庁/省エネ性能カタログ)。

 電気料金単価を31円/kWhで計算すると、1時間あたりの電気代は21.7円になります。1日8時間使用したとすると、1日の電気代は173.6円、1カ月では5208円になります。

フォト セラミックファンヒーターとエアコンの電気代比較表(筆者作成)

 セラミックファンヒーターは、エアコンのおよそ1.7倍の電気代がかかることが分かりました

暖房能力で比較してみると……

 セラミックファンヒーターとエアコンの比較では、そもそも、「セラミックファンヒーターで部屋全体を暖めることができるのか」というところから考えてみる必要があります。

 そこで、暖房能力を比較してみましょう。暖房能力(kW)とは、部屋に供給できる熱量のことです。暖房器具の馬力と言い換えてもいいでしょう。

セラミックファンヒーターの暖房能力

 セラミックファンヒーターは、電気をそのまま熱に変える方式なので、使用した電力がそのまま暖房能力になります。

 消費電力が1200Wなら、「消費電力 1.2kW ≒ 暖房能力 1.2kW」となります。

エアコンの暖房能力

 一方、エアコンは、室外の熱を集めて室内に熱を渡すヒートポンプ方式で部屋を暖めます。熱をつくるのではなく、もともとある熱を「集めて運ぶ」ため、比較上はエネルギーが少しで済みます。

フォト ヒートポンプ(出典:ダイキン工業

 エアコンのカタログを見ると、暖房能力が記載されています。一般的に10畳タイプのエアコンの場合は3.6kWと表示されている場合が多いでしょう。

 つまり、10畳の部屋全体を暖めるには暖房能力3.6kWが必要であり、エアコンの暖房時の消費電力が700Wなら、「消費電力0.7 kWで暖房能力3.6kWが出せる」ということです。

同じ暖房能力にするには?

 こうした点を踏まえて、セラミックファンヒーターとエアコンを比べると、エアコンのように部屋全体を暖めるには、セラミックファンヒーターは10畳の部屋で3台必要になるということです。

10畳の部屋を暖めるには

  • エアコンの暖房能力:3.6kW
  • セラミックファンヒーターの暖房能力:1.2kW×3台

1時間あたりの電気代は

  • エアコン:21.7円
  • セラミックファンヒーター:37.2円×3台=111.6円

 10畳の部屋を同じくらい暖めるには、セラミックファンヒーターはエアコンの約5倍の電気代がかかる結果となりました(※)。

※あくまでも理論上です。実際は外気温や建物の構造(木造 or RC)、使用器具によって異なります

セラミックファンヒーターの正しい使い方

 セラミックファンヒーターはエアコンに比べて電気代がかかり、暖房能力も弱いことが分かりました。しかし、セラミックファンヒーターはエアコンにはない良さがあります。

  • スイッチオンですぐに暖まる
  • コンパクトで持ち運びが容易
  • 価格が手ごろ

 エアコンが10万円前後する一方で、セラミックファンヒーターは1万円前後で購入できます。

セラミックファンヒーターはスポット利用・ハイブリット利用が正解

 セラミックファンヒーターの長所を生かした使い方をすれば、電気代の負担や暖房能力の弱さといったデメリットをカバーできます。

 例えば、以下のような使い方です。

  • 朝の着替え時に短時間使用する
  • 洗面所やトイレなど狭い空間を暖める
  • 足元においてスポット暖房として使う
  • エアコンが効くまでの補助として使う
フォト セラミックファンヒーター(出典:パナソニック

 暖房器具の適材適所を心掛け、場合によっては組み合わせることで、電気代を抑えながら快適に過ごすことができます。

暖房器具のハイブリット利用の例

  • メイン暖房:エアコン
    • 部屋全体を暖める(リビングなど広めの部屋)
  • サブ暖房:セラミックファンヒーター
    • エアコンが効くまでの一時的な利用
    • 足元に置いてスポット利用

 セラミックファンヒーターは「一時的・局所的な暖房」と割り切り、部屋全体を暖めようとせず、できるだけ短時間の利用を意識しましょう。

 暖房費が気になる人は、暖房器具の適材適所ができているか、一度見直してみるといいでしょう。

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