オールドコンデジと呼ばれるジャンルがあります。主に15年くらい前に発売されたコンパクトデジカメを発掘し、そのレトロ感や当時の写りを楽しもうというものですね。現在は市場から消えかけている小さくて軽くて安くて気軽に使えるコンパクトデジカメが、スマートフォンの世代に再発見されたと思えばいいでしょう。
だいたい、コンパクトデジカメの全盛期が15年くらい前(2010年前後)で、あの頃はすごくコストがかかった凝ったデザインのカメラが市場にあふれていました。あの頃の金属の質感はモノとしても優れており、今でも通用します。
さすがに10年以上前のカメラですから、技術的には発展途上でAF性能や画質、操作感には古びたものがあります。それも含めてレトロなカメラならではの撮影感覚や写りを楽しめるのがポイントです。シャッターを押せば自動的にきれいに写るというだけなら、スマートフォンがあるのですから。
ただし、発売がとっくに終了した製品ですから、中古カメラ店やリユースショップ、オークションなどで探す必要があります。そのときは、きちんと動作するか、バッテリーはまだ使えるか、記録メディアは大丈夫か(SDメモリーカードが使えれば問題ありませんが、あまりに古い機種ですと現在は使われてないメディアの可能性があります)など注意点がありますし、充電式バッテリーの場合、経年劣化で容量が減り撮影可能枚数も少なくなってますが、それを踏まえて、コンパクトデジカメ歴30年のわたしが今だからこそ入手したい特徴的なカメラを紹介しましょう。
荻窪圭
パソコン黎明期からの老舗IT系フリーライター。現在はスマホを含むデジタルカメラの専門家としてITmediaなどに寄稿しつつ、ときどきガジェットのレビュワーや猫写真家や街歩きのガイドになる。Xアカウントは@ogikubokei
当時、コンパクトデジカメの代表のひとつがソニーのCyber-shot(サイバーショット)でした。超小型から重厚な本格派まで幅広いラインアップをそろえていましたが、ソニーならではのデザインだったのがCyber-shot Tシリーズ。その薄さと、大きなレンズカバーをシュタッと下に下げるとレンズが現れて撮影可能になるというギミックが特徴でした。あのデザインは今でも斬新です。
薄型の秘密は屈曲光学系(最近で言うペリスコープ型)のズームレンズ。プリズムやミラーで光を90度曲げ、本体に横向きにレンズを入れるという構造で、薄くてレンズが飛び出ないというスタイルを実現したもの。このシリーズは2003年のDSC-T1から2013年のDSC-TX30まで10年続きました。
おすすめは2007〜2010年あたりのTシリーズ。イメージセンサーに、現在主流のCMOSではなくCCDを採用しており、その分、昔のデジカメの写りを楽しめます。どれを選ぶかは難しいのですが、ここでは5倍ズームレンズを搭載したCyber-shot DSC-T200(2007年発売)をセレクトしてみました。
Cyber-shot Tシリーズは記録メディアがメモリースティック Duoであることには注意。新しいモデルにはSDカード対応のものもありますが、その辺は購入前に調べましょう。
まだまだデジタルカメラが世間に知られていない頃、それを一気にメジャーにしたのがキヤノンのIXY DIGITALでした。フィルムコンパクトのIXYの名を用い、四角くてシンプルな伝統的なカメラっぽいデザインで登場したのが2000年。以来、今でもIXYの名を冠したコンパクトデジカメは現役のシリーズです。2009年まではIXY DIGITAL、中でも手ブレ補正を搭載している機種は末尾にISとつきます。2010年からはDIGITALが取れてIXYとなり、全機種手ブレ補正内蔵です。機種名でだいたい年代がわかります。
個人的なおすすめはIXY DIGITAL 10。2007年のモデルで手ブレ補正も未搭載ですが、シルバーとブラックのコントラストが効いたデザインがこれぞIXYという感じで魅力的です。カメラとしてもコントラストが高くて鮮やかな写真が撮れます。
もうちょっと実用性を求めるなら、IXY 30S。つややかなボディが魅力的で、このデザインと質感を持つコンパクトデジカメはもう出てこないかと思います。手ブレ補正も搭載し、画質も上がってます。
当時のヒットカメラではありませんが、もう2度とでないであろう超ユニークでなおかつ実用的なコンパクトデジカメがありました。コダックのEasyshare V570です。このカメラ、スリムで細長くてデザイン的にも良いのですが、注目は中央の円形の部分。電源を入れると円形のカバーが自動的にシュッと開いて中からカメラが2つ顔を出すデュアルカメラだったのです。今のスマートフォンは珍しくないデュアルカメラもコンパクトデジカメではこれがはじめて。何しろ2006年の製品なのです。
下のカメラが超広角カメラ、上のカメラが標準ズームカメラです。あの頃、超広角レンズを搭載したコンパクトデジカメはまだなく、普通のカメラとしても、超広角カメラとしても使いたいというニーズにマッチしました。
画素数は500万画素ながら当時のコダックの特徴でもあったすごく色鮮やかでエモい写りを継承しており、今でも印象的な写真を撮れます。入手は難しいかもしれませんが、写りもデザインも魅力的なので、ほかとはちょっと違うオールドコンデジを使いたい人におすすめ。
最後は今でも実用的なカメラを紹介します。最近の……といっても2017年の製品ですが、今でも現役で使えそうなのがカシオのEXILIM ZR4100です。残念ながらカシオは2018年にコンパクトデジカメ市場から撤退したので、これはカシオ最後のデジカメのひとつ。
このZR4100は19-95mm相当の超広角系5倍ズームレンズを搭載していることと、背面モニターがチルト式なのが良い点。当時のカシオはメイクアップ機能(今でも美肌系)が人気で、180度回転させると自動的に自撮りモードになり、ビューティー機能を使えました。
当時としてはハイエンド機の性能を持っており、動作も軽快で発色も鮮やかで今でいう「ルック」に相当する機能も充実しており、写りも楽しめます。
オールドコンデジらしさと実用性の両方を楽しみたい人にイチオシのカメラです。ひとつ前のモデルのZR4000もほぼ同等の機能を持っているのでそちらを選んでもOK。
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