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【冬の節電】エアコンとサーキュレーターの「ベストな併用方法」と節電効果をFPが解説【2025年11月版】(1/2 ページ)

エアコンとサーキュレーターを併用するときの効果的な使い方と、どれくらい節電につながるのかをFPが分かりやすく解説します。

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 エアコンを使っていると、顔まわりは暖かいのに足元だけ冷える――そんな経験はありませんか? これは部屋の空気が均一に暖まらず、温度ムラができていることが原因です。

 このようなときは、サーキュレーターで空気を攪拌(かくはん)すれば、温度ムラを解消できます。

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エアコンとサーキュレーターを同時に使って、節約しよう(出典:photo-ac.com)

 一方で、「サーキュレーターの電気代が気になる……」という声もあります。そこで、エアコンとサーキュレーターを併用するときの効果的な使い方と、どれくらい節電につながるのかをFPが分かりやすく解説します。

石倉博子

石倉博子

ファイナンシャルプランナー(1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP認定者)。

“お金について無知であることはリスクとなる”という私自身の経験と信念から、子育て期間中にFP資格を取得。実生活における“お金の教養”の重要性を感じ、生活者目線で、分かりやすく伝えることを目的として記事を執筆中。大学では美学美術史と油絵を学び、文学と造形の学士を取得。しかし今は芸術とは程遠いお金の計算に情熱を燃やす人間になっている。伏線がきれいに回収された小説を読むのが好き。


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暖かい空気は上に、冷たい空気は下に

 空気の性質として、暖かい空気は上昇し、冷たい空気は下降するので、暖房中は天井付近と床付近で温度に差が生じる“温度ムラ”が起こりやすくなります。

 温度ムラを解消するには、エアコンの風向きを「下向き」設定にするのが効果的です。エアコンから床に向かって出た暖かい空気は、自然と天井に向かって上がっていくため、部屋全体を暖めることができます。

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暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へ(出典:photo-ac.com)

 しかしエアコンの風向きを下向きにしていても、時間とともに温度ムラができてしまうことがあります。部屋の中で部分的に冷たくなっている場所を、“冷気だまり”といいます。

 冷たい空気は部屋の下の方にたまるので、足元が冷えて、エアコンの設定温度を上げてしまいがちです。エアコンの設定温度を1度上げると、消費電力量が約10%上がると言われています。

 この場合、設定温度を上げるのではなく、サーキュレーターを利用して空気をかき混ぜましょう。そうすることで部屋全体に暖かい空気が行き渡るようになります。

暖房効率が上がるサーキュレーターの置き方

 暖房効率を上げるためには、サーキュレーターの置き方も重要です。

 サーキュレーターはエアコンの対角線上に置いて、エアコン吹き出し口に向けて風を送ります。エアコンの風向きは下にして、暖かい空気が上昇していくところをかき混ぜることで、温度ムラをなくし、部屋全体を均一に暖めることができます(※)。

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暖房効率がアップする、サーキュレーターの上手な置き方&使い方(出典:パナソニック

エアコン+サーキュレーターの節電効果

 エアコンとサーキュレーターの併用で本当に節電できるのか、電気代を試算してみましょう。

サーキュレーターの電気代

 まずはサーキュレーターの電気代です。一般的なサーキュレーターの消費電力は、20〜30W程度です。25Wとして計算すると、1時間あたりの電気代は0.78円になります。1日18時間使用したとすると、1日の電気代は14円、1カ月(30日)では420円になります。

※電力料金目安単価:31円/kWh(税込)で計算

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山善 洗えるサーキュレーター(出典:Amazon

エアコンの電気代

 次にエアコンの電気代です。モデルによって幅がありますが、ダイキンの「スタンダードモデルEシリーズ 14畳タイプ」を例に計算してみます。

 暖房期間消費電力量は1081kWhなので、1日18時間運転、暖房期間160日から計算すると、1時間あたりの電気代は11.6円となります。1日の電気代は209.4円、1カ月の電気代は6283円になります(※端数により計算結果は一致しません)。

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ダイキン エアコン 14畳 2025年 Eシリーズ ホワイト S405ATEP-W 室外機カバー セット(出典:Amazon

省エネになったエアコンの電気代

 エアコン設定温度を1度下げた場合の消費電力量は、暖房時は約10%の削減が見込まれています。このことから、サーキュレーターを利用することで10%省エネ効果があるとすると、エアコンとサーキュレーターを併用した場合のエアコンの電気代は1時間あたり10.5円、1日あたり188.5円、1カ月あたり5655円になります。

エアコン+サーキュレーターの電気代

 省エネになったエアコンの電気代とサーキュレーターの電気代を合わせると、1時間あたり11.3円、1日あたり202.5円、1カ月あたり6075円となります。

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「エアコンのみ」と「エアコン+サーキュレーター」の電気代比較(筆者作成)

年間で考えると効果あり

 エアコンとサーキュレーターを併用したときの節電効果は、1カ月あたり208円とわずかな差となりました。暖房期間(160日)の合計にすると、1104円の差となります。

 結果だけを見ると、節電効果は少ないように感じられますが、サーキュレーターはつけっぱなしにしなくても効果を得られるので、必要な時だけ使うという意識を持つとさらに節約できます。

 適度に部屋の空気が循環したらサーキュレーターを切っても効果が保てるので、タイマー機能を使って1時間経ったら切る、効果が薄れてきたら再度入れるなどすれば、サーキュレーターの電気代は気にしなくてもいいレベルに抑えられるでしょう。

 さらに、サーキュレーターは夏の冷房時でも同じように効果を発揮します。サーキュレーターを使うことで、設定温度を1度上げることができると、冷房時は消費電力量を約13%削減できるという報告があります(※)。

 年間を通して10%程度削減できると考えると、サーキュレーターの併用による節電効果は決して小さくはないでしょう。

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