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Red Hat Linuxの起動スクリプト

 まず最初にRed HatベースのLinuxディストリビューション(Red Hat Linux,Turbo Linux,LASER5 Linuxなど)を例に挙げて起動プロセスを紹介していこう。

 起動スクリプトを理解するには,Linuxの起動がどのように行われているのかを知る必要がある。起動の仕組みは次の通りだ。

1.initの動作

 Linuxの起動プロセスを知る場合,「init」と呼ばれるプログラムがポイントになる。initは,Linuxカーネルの最後に起動されるもので,以後起動されるすべてのプログラムにかかわるからだ。

 すでにLinuxマシンが起動している場合,ps コマンドを使ってプロセスを表示するとプロセス番号(PID)が「1」になっているプロセスが見つかる(リスト1)。これが「init」の実体プログラムである。

 initは,さまざまなプログラムやスクリプトを実行することによって,起動時や終了時の処理を担っている。

リスト1■psコマンドで見る実行プロセス
別ウィンドウで見る or list01.txt

 initは,後述する「ランレベル(run level)」に応じて動作を切り換えることができるようになっている。起動時やシャットダウン時には,ランレベル(動作状態)を切り換えることによって,各種の処理を行っている。

 ランレベルがどのように設定されるのかを見ていこう。まず最初に/etc/inittabファイルを見てほしい。inittabファイルは,initの動作を制御するための設定ファイルで,起動する際に最初に参照される設定ファイルなのだ。管理者といえこのファイルを編集するようなことはあまりないが,起動過程を理解するには避けられない。ここでは,起動の仕組みや起動時のスクリプトと併せて解説してみよう。

リスト2■/etc/inittab
別ウィンドウで見る or list02.txt

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