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GUIツールをうまく利用すれば管理の手間が軽減できる

 Linuxといえば,従来まではviなどのテキストエディタで設定内容を記述,編集するのが常識だった。筆者自身も,いままではどちらかといえばエディタで直接設定ファイルを編集することが多かったのだ。

 しかし,改めてRed Hat Linuxに用意されているGUI設定ツールを見てみると,ほとんどすべての設定がGUIの設定ツールでできるということが分かるだろう。GUIツールを利用するということは初心者向きと思われがちだが,手作業で設定ファイルを変更するのに比べ,書式の誤りなど些細なミスを誘発することがないため中上級者でも使い方によっては便利なはずだ。

 そうとはいえ,現状ではすべての設定をGUI設定ツールで行うということは難しい。幾つかのGUIツールでは,手作業で記述した設定ファイルを上書きしてしまったり,他の設定ツールで設定した内容を無にしてしまうという危険が伴っている。このため,「このデバイスやサービスの設定には,このツールを使う」と決めておき,複数のツールを併用したり,GUIツールでの設定と手作業での設定をむやみに混在しないほうがよいだろう。例えば,今回解説した「ファイアウォール設定」と「Lokkitファイアウォール」ツールは,どちらも/etc/sysconfig/ipchainsファイルを上書きしてしまうため,両方を併用するのは避けたほうがよい。

 Red Hat Linuxは,設定のほとんどがスクリプトで処理されるため,バージョンアップを行うにつれて設定ファイルの構成が複雑になっている。このため,手作業で編集するのはかなりの知識を要するのも事実だ。このため,今後は基本的にGUIツールで設定し,どうしても手作業でなければ設定できない個所をチューニングしていくといった形式がメジャーになるかもしれない。事実,サン・マイクロシステムズの「Cobalt」シリーズなどは,Web上で行えるGUIツールが標準搭載されている。

 要は,サーバを運営する上で設定ミスを軽減し,日ごろの管理を軽減できるようにするには…,どのような手段がよいかを考えればよいだけだ。いままではエディタによる設定が100%だったという人は,いちど考えてみてはいかがだろうか。

[大澤文孝,ITmedia]

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