家庭用ゲーム機「プレイステーション2」でLinuxが動かせる「PS2 LinuxKit」。Linuxと聞いて使い道がすぐに思いつかない人は多いはず。そんな人に向けて,この特別企画ではインターネットサーバとして利用するまでの手順を,1から10まで詳細に解説する。ん? 常時稼動するサーバにしてしまってはGT3やFFXができなくなる? 筆者の知人は,ゲーム用にもう1台購入したほどである。

 ソニーコンピュータエンターテインメント(SCEI)から6月20日に発売された「PS2 LinuxKit」(1次出荷)。7月14日には2次出荷も行われて当初より入手したかった人には行き渡ったのではないだろうか。しかし,発表時から次のようなニュースが飛び交う人気ぶりだったものの,「いったいどのような人が何に利用するのだろうか?」と思っていた人も多いはずだ。

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 いままでLinuxなど触ったことがなくゲームを楽しんでいた人が,いきなり使いこなすのは難しいだろう。さらにPlayStation 2(以下,PS2)特有のGraphics Synthesizer(グラフィックライブラリのMesa)を活用するためには,プログラミング知識が必要となる。しかし,日ごろゲームを楽しんでいるPS2でLinuxが動くのであれば……,と思って手に入れた人は多いはずだ。

画面

現在のところ,SCPH-30000の最新型PS2がサポートされていない。キット全体の写真は,PS2 Linux公式サイトで見ることができる

 Linuxを学ぶといっても在り来たりなコマンド解説本を片手では,目的も無くホコリがかぶってしまうのは時間の問題? そんな人に向けて,この記事では常時接続環境(フレッツやイーアクセス,ヤフーBBなど)を想定したインターネットサーバの構築方法について解説しよう。ただし,あえてPS2 Linux環境を基にすべての手順を解説しているが,ほかのディストリビューションでも通用することばかりである。

 後述するようにハードウェア資源にかなりの制限があるPS2。常時起動させておくインターネットサーバとしては,耐久性が気になるところだが,筆者サイト(フレッツ・ISDN+かもめインターネット)では1か月以上24時間稼動しているが,現在のところ問題は起きていない(2001年7月現在)。今年は猛暑のため先行き不安であるが,あと数か月を乗り切れば,常時稼動は問題ないと結論付けられると思う。

 最初に断っておくが,PS2は搭載メモリ量が32Mバイト,MIPSのCPU R5900というハードウェア構成のため,廉価なCeleron搭載機よりもパフォーマンスの点で優れない。かなりのメモリスワップが発生することは,MRTGのグラフで把握できた。しかし,どうせ構築するのであれば「他人と同じインテルCPUマシンではツマラナイ」,「PS2でサーバにすることに意義がある」。この2点に共感できるのであれば,迷わずチャレンジしよう。

 まず最初に,PS2 Linux(PS2)の特徴について簡単に触れておく。この点を知っておかなければ,後々インテルCPUのLinuxを使ったほうがよかった,などと後悔してしまうだろう。

1.

CPUにはMIPSが使用されている(広く出回っているインテル用RPMバイナリを使えないことを意味する)

2.

ゲーム機のため使い勝手で不自由な点がある(例えばリセット時にはゲームパッドからの操作が必要など)

3.

カーネルは2.1.2ベース(USBバス対応のために2.2.18の一部のモジュールが採用されている)

4.

システムDVD-ROMには,実用的ではない古いバージョンのRPMパッケージもある

 この中で1,4番は,インターネットサーバとして利用する場合に大きな問題点だ。通常,Red Hat Linuxを始めとするRed Hat系のディストリビューションは,RPMによるアップデートが容易という特徴がある(# rpm -Uvh xxxx.rpmなどと指定するだけ)。しかしPS2 Linuxの場合では,広く出回っているインテルベース(apache-xxxx-i386.rpmなどと付けられたRPMパッケージ)のRPMパッケージを利用できない。


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[木田佳克, ITmedia]



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