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Chapter 6:Dynamic DNS 〜DNSとDHCP〜

6.3.7 プライマリサーバー,セカンダリサーバー,マルチマスター
 セカンダリサーバーは,プライマリサーバーからネットワーク経由でゾーン情報を受け取る。DNSはマスタ/スレーブ方式で情報が伝送されるため,セカンダリサーバーではゾーン情報を変更するようなメンテナンス作業が生じることはない。このため,Dynamic DNSで生じるゾーン情報の更新要求も,必ずプライマリサーバーに送信されなければならない。もし,セカンダリサーバーに要求が送信された場合には,プライマリサーバーにその要求が転送されることになる。

 Windows 2000に添付されているMicrosoft DNSには,通常のプライマリ/セカンダリ方式のほかに,Active Directoryとの統合モードが用意されている。ゾーン情報をActive Directoryに統合した場合,ゾーン情報の管理手法は通常のDNSサーバーとは異なってくる。Active Directoryのディレクトリ情報は,ドメイン内に存在するドメインコントローラにより保持されている。ドメインコントローラ上で動作しているDNSサーバーが複数ある場合,そのすべてがマスタとなって動作する。このような情報伝達方式を,「マルチマスタ」と呼ぶ。

 Active Directoryのドメインコントローラはマルチマスタ方式で稼働するため,任意のドメインコントローラ(通常はネットワーク的に一番近いドメインコントローラ)に要求を送信すればよい。Active Directoryでは各ドメインコントローラがそれぞれマスタとなるため,任意のドメインコントローラの情報を更新すれば,ドメインコントローラが相互に情報を交換して整合性を保ってくれる。DNSサーバーのゾーン情報をActive Directoryと統合すると,DNSのゾーン情報もマルチマスタ方式で交換されるようになる。このため,ドメインコントローラとなっている,いずれかのDNSサーバーに対してDynamic DNSのUpdate要求を送信すれば,それがドメイン内のドメインコントローラで動作しているすべてのDNSサーバーへと自動的に伝達される。

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