Exchange 2000徹底解剖
開発環境としてのExchange 2000 Server

Workflow Event Sink

 本文中で説明してきたとおり,Event Sinkを利用するには,COMコンポーネントを開発し,登録しなければならない。そのため,Visual BasicやVisual C++など,COMコンポーネントを開発できるプログラミング技能が不可欠となる。しかし,このような開発作業はどちらかといえば難度が高く,専門の開発者でなければ難しい場面もあるだろう。特に,Exchange 2000 Serverの管理者が手軽にワークフローアプリケーションを開発したいというような場合には,Event Sinkの開発コストは高すぎるかもしれない。

 そこでMicrosoft社は,Workflow Event Sinkと呼ばれる仕組みを提供している。Workflow Event SinkはCOM+アプリケーションとして構成されており,Event Sinkのラッパーとして機能する。Workflow Event Sinkアプリケーションは,VBScriptやJScriptで書かれたスクリプトの実行をサポートする。つまり,Workflow Event Sinkを用いると,Event Sinkの処理をVBScriptやJScriptなどのスクリプト言語で記述することができるようになる(Fig.27)。

 Workflow Event Sinkを使って開発する場合には,Workflow Designer for Exchange 2000 ServerというGUIツールを用いる。Workflow Designerを使うと,アイテムの遷移図を作って,その図上でどのような処理をするのかをスクリプトを使って記述できる(Fig.28)。

 Workflow Designerでは,「Create」「Delete」「Enter」「Exit」「Change」「Receive」「Expiry」という7つのイベントに対して,スクリプト言語で記述したメソッドを呼び出すことができるようになっている(Fig.29)。たとえば,Createイベントに,メールを送信するようなメソッドを呼び出すように実装しておけば,設定したフォルダにアイテムが保存されたときにメールを送信することができる。


One Point! Workflow Designerを利用するためには,コンポーネントサービス管理ツールにおけるWorkflow Event Sinkアプリケーションのロール設定において,利用するユーザーをCan Register Workflowロールに登録しておく必要がある。また,Workflow Designerは,WebDAVを用いてExchange 2000 Serverと接続するため,クライアント側から開発することもできる。

 Workflow Designerは,本稿の執筆時点で英語版のβ版のみが提供されており,http://msdn.microsoft.com/exchange/よりダウンロードすることができる。Workflow Designerの操作は比較的簡単なので,興味のある人はダウンロードして試してみるとよいだろう。

Fig.27 Workflow Event Sinkのしくみ(図版をクリックすると拡大可能)
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Fig.28 Workflow Designer for Exchange 2000 Server(図版をクリックすると拡大可能)
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Fig.29 Workflow Designerによるイベントの定義とメソッドの設定(図版をクリックすると拡大可能)
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