インターネットアプリケーション時代の企業ネットワーク再設計
アプリケーション形態の変革と物理ネットワークの再設計

非業務系アプリケーションについての注意

 企業ネットワーク上では,業務系アプリケーションだけではなく,ファイル共有,プリンタ共有,電子メール,グループウェアなどの非業務系アプリケーションも稼動している。ネットワーク設計においては,これらの非業務系アプリケーションの通信も考慮しておく必要がある。

 非業務系アプリケーションも,アプリケーション形態としては前述の「クライアント/サーバー型アプリケーション」「三階層型アプリケーション」「Webベース型アプリケーション」「ターミナルサービス型アプリケーション」のいずれかに分類できる。しかし,三階層型やターミナルサービス型の非業務系アプリケーションは少ないため,ファイル共有,プリンタ共有,電子メールなど独自ユーザーインターフェイスを持つものはクライアント/サーバー型アプリケーションとして,WebブラウザをユーザーインターフェイスとするものはWebベース型アプリケーションとして,それぞれ実装されていると考えればよいだろう。

 非業務系アプリケーションを考えるうえで注意すべき点は,業務系アプリケーションに比べて通信するデータ量が非常に大きいことである。業務系アプリケーションが一回に通信するデータ量は数十バイトから数キロバイト程度であるのに対し,非業務系アプリケーションのデータ量は数十キロから数メガバイトにも及ぶ。この点から考えても,ネットワークを設計する場合には,業務系アプリケーションよりも非業務系アプリケーションの通信を強く意識する必要がある。

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