インターネットアプリケーション時代の企業ネットワーク再設計
いまさら聞けない!?ネットワーク機器再入門

クロスケーブルとアップリンク

 すでに解説したとおり,ツイストペアケーブルとは,2本のケーブルを対としてよじり,2本の組を4つ,合計8本のケーブルを1本に包み込んだものである。対となった2本のケーブルは,それぞれ送信用と受信用である。ノードAとノードBが通信する場合,ノードAの送信用ケーブルはノードBの受信用ケーブルであり,ノードAの受信用ケーブルはノードBの送信用ケーブルとなる。つまり,エンドノード同士では,通信ケーブルを反転して接続しなければならないのである。このため,エンドノード同士をツイストペアケーブルで直接接続する場合には,内部ケーブルの結線を反転させたクロスケーブルを使用しなければならない。

Fig.2-6 クロスケーブルによるエンドノードの直接接続
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 一方,ネットワーク機器が中継する接続形態では,内部ケーブルの結線を反転させないストレートケーブルを使用し,ネットワーク機器の内部で接続を反転させる規格となっている。

Fig.2-7 ネットワーク機器による接続
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 しかし,エンドノード間で必要となる反転は,本来1回である。そのため,ネットワーク機器がカスケード接続されている状態では複数回反転されることになり,正常に通信できない。この状態を回避するため,ネットワーク機器には,カスケード接続用のアップリンクポートが設けられている。アップリンクポートの内部では,接続を2回反転させるようになっている。これにより,エンドノード間では必ず奇数回だけ接続が反転され,通信が保証されるのである。

Fig.2-8 アップリンクポートによるカスケード接続(図版をクリックすると拡大可能)
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 ネットワーク機器にアップリンクポートがない場合,クロスケーブルを使えばカスケード接続できる。

Fig.2-9 クロスケーブルよるカスケード接続
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