ブロードバンド,ディレクトリ,IPv6,SOAP,etc...
インターネットアプリケーション時代の企業ネットワーク再設計

 企業がパーソナルコンピュータ(以下,PC)によるネットワークの利用を本格化してから,すでに5年以上の歳月が経過している。その間,企業ネットワークは様々な変化にさらされてきた。ネットワークオペレーティングシステムの変貌,ネットワークアプリケーションの普及,ダイヤルアップ環境の導入,標準プロトコルの変化,インターネットとの接続,帯域幅の増大,VPN環境の構築など,数え上げればきりがない。

 これらの変化にさらされながら,ボトムアップ的に構築されたであろう企業ネットワークの多くは,抜本的に見直されることもなく,ひたすらに成長を遂げてきたことだろう。しかし結果として,管理が分断されて末端までポリシーが行き届かなかったり,人間関係や組織の壁に阻まれて管理が行き届かなかったりする場面も多いのではなかろうか。

 今後の数年から十数年を単位として見たとき,ブロードバンドインターネット(グローバルなネットワーク)とXML(グローバルなインターフェイス)の浸透に伴い,企業ネットワークはますます重要な位置を占め,拡大および拡張されることになるのは間違いない。そのような環境の変化を柔軟に受け止め,企業の生産性の向上へと結び付けてゆくためには,必要不可欠なポリシー管理を情報システム部門に集中させつつ,末端の管理作業を部門担当者に分散させ,管理者にとっても利用者にとっても使いやすいものとなるように企業内の物理ネットワークを再設計してゆかなければならない。

 本稿では,ネットワークの専門家ではなく,むしろアプリケーションの専門家の目から,企業ネットワークを再設計する場合の指針を提示する。インターネットに対応した各種アプリケーションを展開する基盤として,物理ネットワークは欠かせない。半面,ネットワーク上で提供されるサービスの形態を意識することなく,物理ネットワークを設計することも,またナンセンスである。それゆえに本稿では,アプリケーションを展開するという大前提に立って,物理ネットワークの設計ポイントを示すことにした。本稿が企業ネットワークの現場にあるネットワーク設計者やアプリケーション設計者の参考となれば幸いである。

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