「人」があってこそのリーダー:情報マネージャとSEのための「今週の1冊」(4)
リーダーにとって必要なものは何か。この悩みは過去から現在まで尽きることがない。そして多くのリーダーがつまずくのが「人」に関する問題である。
ドジっ娘リーダー奮闘記
組織におけるリーダーの悩みは尽きない。業種や職種を問わず、世の中にリーダーシップやマネジメントを論じる書籍や記事が過去から現在まで無数出ているのを見れば、いかにそのニーズが高いのかが容易に分かるはずだ。
本書は、主にプロジェクトリーダーやチームリーダーに初めてなったばかりの若手ビジネスマンに向けた1冊だ。「ITmedia エンタープライズ」で2009年6月から2010年5月まで連載された記事を加筆・修正し、書籍化したものである。
あるITシステム会社で働く新米女性リーダーの主人公が、先輩社員の指導の下、一人前のリーダーに成長していくという小説仕立てのストーリー。30の章立てになっており、それぞれにケーススタディが用意されているため、読者は実際にその場面を疑似体験しながら、リーダーの役割や振る舞い方、部下に対するマネジメントなどを学ぶことができる。それぞれの章のポイントが分かりやすくまとめられているのも理解を助ける。
一見すると破天荒な内容とユニークなイラストから、フィクションのように思えるが、ほぼすべて著者の勤務先で実際にあった出来事を土台にしているという。こうした点からも、リーダーがいかに予想もしない状況に対しても臨機応変に対応すべきかが分かる。
本書を読み解くと、リーダーにとって重要なのは「人」だという認識を持つだろう。著者もあとがきの中でこう述べている。
「実際にリーダーになってみて、多くの人がつまずくのが、『メンバーがついてきてくれない』『お客さんが集まらない』『自分だけ空回りしている感じがする』ということではないかと思います。リーダーが相手にするのは『人』です。(中略)人からアドバイスをもらえたときに素直に聞く心があるかどうかもとても大切です」
リーダーに着任したばかりの方も、ベテランリーダーの方も、改めて基本に立ち返り、リーダーという存在を見つめる契機となる1冊であろう。
- 人はなぜ不正を働くのか?
- なぜIKEAは世界中で支持されるのか
- 今こそ「メディア」を考える
- 部下を信じ、尊敬する
- ご機嫌取りになれ
- “暗い未来”に漫然と向かわないために
- 1つの行動が社会を変革する
- あなたには確固たる「ミッション」があるか?
- 「会社に行きたくない」人ほど会社に依存している
- 失敗の2大パターンは“精神論とお役所仕事”
- コミュニケーションは、ツールではなく人が行うもの
- 社員が疲弊している会社は、経営層とITに問題あり
- ロジカルシンキングで成果が出ない訳
- 手段ばかりを求めていると、結果は出せない
- 「技術へのこだわり」という日本企業の根深い病
- 日本軍とまったく同じ、日本企業の“敗戦理由”
- “技術だけ”では、開発プロジェクトは失敗する
- 断捨離で、業務とシステムはもっと快適になる
- 仕事でモメたくない人のための教科書
- その油断と慢心が“炎上”を招く
- 本当は怖いフェイスブック
- 組織も自分もダメにする「自分大好き」という病
- 災害対策、コスト削減、システム改善は全て同じ問題
- あなたなら、自社システムをどう攻撃する?
- “想定外”から1年、見て見ぬふりはしていませんか?
- ナイトライダーも示唆する人とシステムのあるべき関係
- アップルが成功し、ソニーが失敗した理由
- 貴社のビジネス、ITシステムに“マインド”はあるか?
- 何のために働くのか? その回答はシンプルそのものだ
- 事故を起こす企業の特徴は、「責任者が不明」
- スマホ導入は、セキュリティポリシー設定がキモ
- 失敗は、「簡単なこと」「当たり前のこと」で起こる
- ITがどれほど進展しても、経営の基本は変わらない
- コピペやお絵かきが得意な人は“中毒”の疑いあり
- 情報は、人間関係があって初めて有効に活用できる
- “顧客”や“ユーザー”との関係作りを見直そう
- システム導入・浸透のポイントは“楽しさ”にあり
- “当たり前”を覆すチャンスはまだまだ埋まっている
- ソーシャルメディア・リテラシが収益を左右する
- 技術者はアーティストであり、製造業者ではない
- 分析するのは「ツール」ではなく「人」である
- ブランドは、消耗品である
- 当然のことを当然にこなすための指南書
- リスクを知っていてこそ、スマホは使いこなせる
- 個人でも企業でも、“ナンパ野郎”はウザいだけ
- 「見える化」だけでは、ビジネスは進まない
- 2ちゃん、ニコ動、外務省。次の標的は貴社のサイト!?
- あなたの会社は「突然死」の危機にさらされている
- BCPは、業務部門と情シスが連携して初めて成功する
- 仕事や人生、そして復興にも、秘策はない
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