市民1人ひとりに「マイページ」
自分の生活に密着した情報を凝縮。柏崎市の試み
|
パソコンを開くと、子どもの通う保育園からのお知らせが毎日届いて、地域センターの催し物情報が飛び込んでくる。粗大ごみの収集日があればメールで知らせてくれる……そんなマイポータルサイトがあったら、便利ではないだろうか?
新潟県柏崎市は6月1日より、ホームページ上で市民1人ひとりが「マイページ」を作れるサービスを開始した。市が発信する情報の中から、興味のある情報のカテゴリを選んで登録するだけで、簡単にマイページを作成することができる。民間企業のサイトではよく見られるマイページサービスだが、自治体のサイトでは珍しい。
選べる情報カテゴリは幅広い。育児、就学、老後、ごみ、ガス・水道、スポーツ、生涯学習、助成・給付関係、イベント、議会など、60にも及ぶ。図書館の新着図書から、興味がある作家やキーワードにあてはまるものを表示する機能もある
また、地域ごとの保育園、小中学校、地域センターを個別に登録でき、学校や施設からの新着情報がひと目でわかる。すべての情報ページはクリッピングができるようになっており、マイページの「クリッピング」欄からすぐにアクセスできる。さらに「マイカレンダー」というスケジュール機能も用意されていて、市や施設の行事予定が自動的に表示されるほか、自分の予定を追加することも可能だ。
これは、市が昨年7月に打ち立てた「電子市役所推進戦略」に基づき計画されたもの。「ワンクリックで自分の欲しい情報に到達できるということを目指しました」と話すのは、柏崎市総合企画部情報化総合戦略室主査の植木馨氏。
「市役所の職員全員に情報の入力権限が与えられています。まだ情報量は少ないですが、職員1人ひとりがスポークスマンである、という意識を持って、きめ細かい情報をアップしていきたいと思っています」
左側にマイカレンダーが表示されるほか、よく訪れるサイトを登録できる「お気に入り」、気になる記事をピックアップしておける「クリッピング」機能も
登録者数は開始から2週間で200人ほど。市の人口8万8000人を考えると、まだまだ市民への浸透が必要だ。たとえば、学校から児童に紙で配られる「保護者へのお知らせ」がすべてネット上で見られるようになれば、保護者の多くは登録するだろう。
8月には、カレンダーと連動させて、不定期にやってくる粗大ごみ収集日や検診などのお知らせを、町内会ごとにカレンダーに表示する機能を追加。その予定を携帯電話などへ通知するアラーム機能も加わる。
自分で追加したスケジュールは「◆」で表示される。選択したカテゴリに属する市や施設の行事を自動表示
ゆくゆくは、個人認証を行うことで、1人ひとりに特化したサービスを提供していくことを目標としているという。
「法的にも整備されれば、各種電子申請もできるようになります。電子自治体の取り組みは全国で進んでいますが、最終的にはそこに吸収されていくと思います」
ポータルサイトは、自分に最も身近な情報が詰まっていることが大事。自治体が発する地域のお知らせは、ある意味、最も生活に近い情報といえる。こうした試みが全国へと広まることを期待したい。
保育園や小中学校、地域センターの情報は個別に登録可能。それぞれの施設が自主的に情報を更新していく
■柏崎市
www.city.kashiwazaki.niigata.jp
|