携帯でもPHSでもない
新しいモバイル、無線LAN

　オフィスや家庭内における無線による便利なネットワークとして利用されている無線LAN。これを外出先などモバイルコンピューティングでも利用しようという動きが盛り上がっている。通称「ホットスポット*1」と呼ばれるこの試みは、インターネットに接続された無線LANのアクセスポイントを駅構内、空港ラウンジ、カフェ、ホテルロビー、街角など人の集まる場所に設置して無線LAN機能を持ったノートパソコンやPDAを使ってネットに接続しようというものだ。オフィスや家庭で使っている無線LANが、そのまま街の至るところで利用できるというイメージだ。

現在は無料で実験中
商用時は1000〜2000円か

　現在、ホットスポットの実証実験は都内や大阪などを中心にさまざまな場所で実施されている。また、ホットスポットの展開には“人の集まる場所*2”という重要なキーワードがかかわってくることから、通信事業者だけでなく、飲食店、ホテル、公共交通機関などあらゆる分野の会社が実験に参加している。たとえば、JR東日本は日本テレコムと組んで駅構内でホットスポットの実験を行っている。また、ThinkPad全シリーズに無線LAN内蔵モデルを用意する日本IBM*3もホテルや空港のラウンジで同様の実験を行っている。

　現在実験中の各サービスは、モニター募集が終了している一部サービスを除いて、簡単な手続きで無料で利用できるものが多い。各サービスとも詳細は未定としながらも、本サービス開始後は、プロバイダのオプションサービスや企業単位での利用契約という形式で運用が開始されるものと思われる。料金も月額1000〜2000円程度の定額制での提供となるだろう。

　現在実験中の各ホットスポットで利用されている技術は、IEEE 802.11b*4という規格の無線LAN。PCカード型の無線アダプタが8000〜1万5000円程度で購入できる。安価な初期投資*5でモバイルブロードバンドが実現できるのだ。

高速インターネット入門　2/4