オンラインゲームを楽しむなら、リアルタイムストラテジーを避けては通れない。このジャンルのオンライン対戦は、世界中で多くのプレイヤーが楽しんでいるし、続々と新作もリリースされている。そこで、最新作「エンパイア・アース」を題材に、リアルタイムストラテジーの楽しみ方を紹介しよう!
「エンパイア・アース」は、リアルタイムストラテジーの定番である「エイジ・オブ・エンパイア」のリードデザイナー、リック・グッドマンの最新作だ。棍棒を手に戦う先史時代から23世紀の未来まで、人類の歴史を14の時代に区分して戦うスケールの大きな作品で、登場する戦闘ユニットは実に200種類以上。文明を発展させることによって、新しい武器を手に入れることができる。単なる戦争シミュレーションではなく、国家の運営や技術開発までをも網羅した壮大かつ緻密な戦略ゲームだ。戦闘の目的や勝利条件は最初に表示されるが、基本的には敵軍を全滅させるか本拠地を破壊するのが目的。覇者となれるかはきみ次第だ。
最初は国に食料を蓄えよう。人口を増やしつつ資源を採取し、自分だけの国家を創っていくのだ
国が成熟したら、兵士を育てて他国に侵略し、さらに領土を拡大していこう。このような歴史の営みを体験できるのだ!
読者の中には「リアルタイムストラテジーって何?」という人も多いに違いない。そこで、どんなジャンルなのかをざっと説明しよう。
かつての戦略シミュレーションは、将棋のように敵と味方が交互に駒(ユニット)を動かすターン制が一般的だったが、リアルタイムストラテジーでは敵も味方も同時に行動できる。いつ建物を建ててもいいし、自分の好きなタイミングで攻撃を仕掛けられるのだ。まさに「時は金なり」。効率よく行動しないと敵に後れを取ってしまうし、何もしないでぼーっとしていたら、たちどころにあなたの国家は侵略されてしまうだろう。
未開の地に農地を開墾して人口を増やし、必要な建物を次々に建てていく過程がとにかく楽しい。ゲームの中ではプレイヤーは絶対権力者。皇帝というより、むしろ神に近い存在だ。何から何まで自分の好きなように決められるし、それに口出しする無粋な部下もいない。思うがままにプレイできる自由度の高さが、このジャンルの魅力なのだ。
戦闘中に指示を出さないでいたら、たちまち全滅していまう。キミの判断が国家を救うこともあれば、滅ぼすこともある
最初から与えられた戦力を割り振るシミュレーションゲームと違って、リアルタイムストラテジーは、自由に軍隊を組織できる。騎馬軍団を組織して敵を蹴散らすことも、弓兵や重装歩兵の大部隊を編成することもプレイヤーの自由だ。戦闘中もかなり細かく指示を与えることができるので、陽動や奇襲、挟み撃ち、待ち伏せといった作戦も実行できる。「勝つも負けるもプレイヤーの能力次第」というシビアなところが、ほかのゲームでは味わえない緊張感だ。
街の中心に農地と教会などの民間人用の施設を作り、周りを城壁で固めるのが王道
リアルタイムストラテジーの神髄はマルチプレイ、つまり人間相手に戦えるという点にある。本気で挑んでくる相手を完膚なきまでに叩きつぶし、その領土を蹂躙するのは悪魔的に楽しい。「戦争は楽しいな」なんて、思わず危険な発言をしてしまうほどだ。強い相手、したたかな相手を倒したときほどうれしいし、逆に「アイツは強いぜ」とプレイヤーたちの間でささやかれるのは気分がいい。勝つことに、このジャンルの喜びがあるのだ!
早い話、リアルタイムストラテジーは、国家の最高指導者を演じるプレイヤー同士が互いの持てる能力すべてをぶつけ合って戦う「限りなく現実に近い戦争」である。
陽道作戦にハマってくれた相手をボコボコに。知恵比べがこんなに面白いものだとは!