WWWが登場したばかりのインターネット黎明期は、ユーザー同士がファイル交換を行うときに匿名FTPサイトを利用するのが一般的だった。欲しいファイルの検索は、匿名FTPサイトに上がっているファイルを検索できるarchieと呼ばれるサービスを利用していた。このころはフリーソフトなどの交換を主体とする匿名FTPサイトだが、ウインドウズ95が登場し、インターネットが一般ユーザーに身近になったことで、市販のソフトやゲームを交換するFTPサイトが登場するようになる。フリーホームページスペースを使ったウェブの「WAREZ」や、IRCによるファイル交換などもこのころ本格的に始まったといわれている。
97年ごろになると、FTPやウェブのファイル交換がアングラ化する一方で、より気軽に個人間でファイルを交換できるHotlineや、ICQなどが普及してくる。ファイル交換という文化に「コミュニティー」が深くかかわってくるようになったのはこれらの影響が大きい。このころになると、交換されるファイルの種類も大幅に増え、アプリケーションだけでなく、MP3ファイルや動画なども交換の材料になった。