「Flash」はHTMLだけでは表現できない、グラフィカルかつ動的なコンテンツを作成できるソフトウェアだ。今やウェブデザイナーの必携ツールといった感じで、イメージ重視のサイトには必ずといっていいほど、これで作成したコンテンツが組み込まれている……というのが、まぁ本来の使われ方なのだが、音楽やイラストを組み合わせたアニメが比較的簡単に作れることから、最近はFlashを使ってアニメーション作品を発表する人も増えてきている。一般的にFlashといえば、こうしたアニメ作品を指すことも多い。
Flashで作ったアニメの最大の魅力は、軽いこと。加えて音声付きなのも重要なポイントで、登場人物がしゃべったり、BGMが付いていたりと、GIFアニメにはない楽しみがある。さらに、中にボタンを仕込めるので、ユーザーのクリックに対しアクションを返すことも可能。またFlashアニメを見るために必要な「Flash Player」も広く普及しているので、ユーザー環境を気にしなくてもいいというメリットもある。
3月末にマクロメディアからリリースされた最新バージョンのFlashは、Ver.5ではなく「Flash MX」。名前が一新されただけでなく、機能面でも大きくグレードアップされている。ユーザーインタフェース、ゲーム、バカフラッシュを含むアニメーションの3つの用途別に、新機能によって何がどう変わるのか見てみよう。
まずユーザーインタフェースの部分では、Flash内にアンカーを埋め込むことで、ブラウザの戻る、進むボタンが使えるようになることが大きい。これによって、ユーザーインタフェースをすべてFlashで構成したサイトも登場してくるだろう。また、MPEG、DV、QuickTimeなどのムービーをFlashに組み込むことができるので、Flash上での動画配信も可能になる。
次にゲームでは、JPEGやMP3など、外部ファイルを読み込める新機能の追加によって、同じプログラムで幾通りものパターンを楽しめるようになる。ユーザーがswfファイルを読み込んだとき、同時に外部のJPEGやMP3ファイルを読み込む仕掛けにしておけば、これらのファイルを上書きするだけで、ゲームの見た目やBGMを一新できるわけだ。
最後にアニメーションだが、作家にとって特に便利だと思われるのが、Flashに取り込んだ画像を回転したり、拡大/縮小したりといった自由変形ツールが追加されたこと。またこのほかにも、レイヤやActionScriptといった機能が強化されていて、より効率良く作業できる工夫がされている。