驚きの軽快さを持つ多機能MP3プレーヤー「YP-T6」

日本サムスンの「YP-T6」は、FMチューナーやダイレクトエンコーディング機能などを搭載しながらも、30グラムという軽量さが魅力のフラッシュメモリ型MP3プレーヤーだ。

» 2005年06月27日 00時00分 公開
[ITmedia]
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 日本サムスンの「YP-T6」は、わずか30グラムという軽量さが魅力のフラッシュメモリ型MP3プレーヤーだ。同社製のフラッシュメモリプレーヤーとしてはYP-C1もあるが、本製品は電源に単四形電池を使用することで、よりコンパクトなボディに仕上がっている。

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身につけていることを忘れさせる軽快さ

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筆者の手は比較的小さいほうだが、それでも手のひらにすっぽり収まってしまう
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512Mバイトのメモリを搭載したYP-T6Xの横に、大きさの比較対象としてSDメモリーカードを置いてみた

 YP-T6の本体サイズは22(幅)×53(高さ)×23(奥行き ミリ)・30グラム。128×48ピクセルの3行表示が可能な白色LEDバックライト付き液晶と各種操作を行うジョイスティックを備えながらも、このサイズに収めているところは驚きだ。再生や停止、録音を行うボタン類は上面に備えられており、音量調節や曲選択、早送り/早戻しなどの操作はジョイスティックから行う。

 ここまで本体がコンパクトだと「操作しにくいのでは?」と考えてしまうが、操作しようと右手に構えると、自然と人差し指が上部のボタン類に、親指がジョイスティックにかかる。23ミリという奥行きがあるため操作時に指が滑ることもなく、しっかりとホールドできる。小型化を進めながらも、操作性を損なわない絶妙なサイズといえるだろう。

 電源には単四形アルカリ乾電池を1本使用し、約20時間の連続再生が可能だ。約42時間の連続再生が可能なYP-C1に比べれば短いが(YP-C1は単三形アルカリ電池を使用)、サイズを考えれば十分な再生時間といえるだろう。それに、外出先で電池切れとなってもコンビニや駅売店があれば対応できるので、心配はいらないだろう。

 1Gバイトのメモリを搭載した「YP-T6Z」と512Mバイトのメモリを搭載した「YP-T6X」が用意されており、YP-T6Zはシルバー、YP-T6Xにはブラックのカラーリングが施されている。それぞれ約256曲/128曲(MP3/128kbps、1曲約4MBの場合)という大量の楽曲が収録できるほか、USBフラッシュメモリとしても利用できるのでより大容量なYP-T6Zをお勧めしたい。

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電源は単四形アルカリ電池
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1Gバイトのメモリを搭載した「YP-T6Z」はシルバー、512Mバイトのメモリを搭載した「YP-T6X」はブラックのカラーリング

親指一本でイージーオペレーション

 再生可能なファイル形式はMP3/WMA/WAV/ASF/OGGで、対応ビットレートはMP3が8Kbps〜320Kbps、WMAが48Kbps〜192Kbps、ASFが8Kbps〜192Kbps、OGGが128Kbps〜512Kbps。MP3のID3タグ(ID3 V1、ID3 V2 2.0)にも対応する。

 PCに接続すると「リムーバブルディスク」として認識されるので、対応するファイルをそのままドラッグ&ドロップすればよい。フォルダ構造にも対応しているので、PCのHDDに既にライブラリを構築している場合にはそのまま転送すればいい。もちろん、USB2.0に対応しているのでファイル転送は高速だ。

 転送が完了すれば、すぐさま音楽を楽しめる。再生/停止ボタンの長押しで電源が入り、ジョイスティックを押し込めばメインメニューが現れるので、そこで「ナビゲーション」を使って再生したいファイル(フォルダ)を選択したのちに再生ボタンを押せばよい。

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再生したいファイルは「ナビゲーション」で選択する
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再生中の画面。曲名や経過時間、フォルダに含まれる曲数、再生中の曲のトラックナンバーなどが確認できる

 ナビゲーション画面では、ジョイスティックの左で上位階層/右で下位階層/上下で同一階層内の移動となっており、Windowsのエクスプローラとよく似た感覚で選曲できる。入力に対する反応も機敏なほか、「決定」の動作になるジョイスティックの押し込みについてもしっかりとした押し心地で、快適な操作が可能だ。

 再生中には、ジョイスティック右で早送り/左で早戻しとなり、上下に動かせば音量調節が行える。ジョイスティックを押し込めばメインメニューを呼び出せる。その他の操作についてもナビゲーション画面とほぼ同じで、ジョイスティック左で“一階層戻る”、右で“一階層進む”、上下で“選択”、押し込みで“決定”となっており、しばらくさわっていれば自然に操作を覚えられる。

 4行の表示が行える液晶画面には日本語や英語はもちろんのこと、中国語、韓国語、フランス語、ロシア語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語の表示も行える。白色LEDによるバックライトも設けられており、認識性は高い。また、本体上部にはホールドスイッチも設けられているので、電車の中などでうっかりスイッチが入ってしまったなんてこともない。

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白色LEDがセットされている液晶はかなり明るく光り、操作時にはジョイスティックも青く光る。これなら夜道での操作も問題ない
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ジョイスティックはしっかりとした操作感で、親指一本でもラクラク操作できる。ホールド感も良好だ

コンパクトボディにラジオやダイレクトエンコーディング機能も内蔵

 ワールドワイド対応のFMチューナーやCDなどから直接録音できるダイレクトエンコーディング、内蔵マイクを使ってのボイスレコーディングなどを備える多機能ぶりも本製品の特徴だ。

 同社製のオーディオプレーヤーにはFMチューナーを内蔵するものが多いが、本製品もその例に漏れず、ワールドワイド対応(76.0MHz〜108.0MHz)のFMチューナーを内蔵している。選局は簡単で、ジョイスティックを左右に動かせばチューニングでき、1秒以上倒せば自動的に受信できる放送局を選択する。チューニングした状態でA-Bボタンを押せばその周波数を保存できる。

 録音も簡単で、受信中に本体上にある「REC」ボタンを長押しするだけ。もう一度「REC」ボタンを押すまで録音は継続され、メモリ内の「FM_ENC」フォルダに128kbps(変更可能)のMP3形式で保存される。録音中には液晶の左下に「FM REC」という文字と録音時間が表示されるので、「ついうっかり録音し続けてしまった」という事もないだろう。

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FMチューナー画面
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ダイレクトエンコーディングを利用するには、「ENC」とある外部入力端子にCDプレーヤーなどを接続する

 ダイレクトエンコーディング機能を使用するには、本体の左側面にある外部入力端子(「ENC」)にCDプレーヤーなどからのケーブルを接続して「REC」ボタンを長押しする。あとは自動的に「LINE_ENC」フォルダへMP3ファイルが生成される。ビットレートは32/48/64/96/128kbpsの5段階に切り替え可能で、無音部分を検出して自動的にファイルを分割する機能も備えている。

 ボイスレコーディング機能も備える。FMラジオを聞いているときや、外部入力端子を使用しているときには無効だが、それ以外ならば「REC」ボタンを押せば即座に録音が開始される。録音されたファイルは「VOICE」フォルダにWAV形式で保存される。「これだけのコンパクトなボディなのに、どこにマイクがあるのだろう?」と不思議に思うが、音質はなかなかのもの。議事録の作成や、ちょっとしたメモ代わりに活用できそうだ。

迫力のサウンドを作り出すSRS WOW、付属品も充実

 ポータブルプレーヤーとして最も大切なのが音質。この音質についても充実した機能を備えている。付属ヘッドフォンとの組み合わせでもクセのないフラットな音質を楽しめるが、イコライザと低音強調、「SRS WOW」によってよりバリエーション豊かな音質を作り出すことができる。

 SRS WOWは、3Dサラウンドを作り出す「SRS」、低音を強化する「TruBass」、音像を明確にする「Focus」から構成される特殊音響効果で、本製品ではSRSを利用して接続する機器(ヘッドフォン/イヤフォン/スピーカーなど)に最適な立体音場を作り出す機能も備えている。また、低音強調はイコライザ設定でプリセットの4種(ノーマル/クラシック/ジャズ/ロック)を適用しているときにだけ利用できる。

 個人差もあるところだが、ポータブルプレーヤーで音楽を聴いているとどうしても中域の厚さや低域を物足りなく感じることがあるので、そうしたときにはSRS(あるいはTruBass)をかけてやるといいだろう。筆者個人の感想としては、ピアノ曲など余韻を楽しみたいときにはSRSが、ロックなどギターやドラムの音圧を感じたいときにはTruBassが有効に感じた。SRSとTruBassは10段階、Focrsは3段階に効果を調整できるが、かけすぎは原曲のニュアンスを損なうことになってしまうので、聞きながら調整してもらいたい。

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WOWを適用しているときには再生中の画面に「WOW」と表示される。TruBassやSRSも同様だ
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ショートタイプのUSBアダプタを使えばUSBメモリ感覚で利用できる。もちろんUSBフラッシュメモリとしても利用可能だ

 パッケージにはイヤフォンやネックストラップ、USBケーブルのほか、ラインケーブルやショートタイプのUSBアダプタなども付属している。最近ではノートPCをメインマシンとして使用している場合も多いと思われるが、ショートタイプのUSBアダプタならば、スマートにPCと接続できる。ちょっとしたことかもしれないが、“気が利いているなぁ”と感じさせる。

 本製品は音楽再生以外にも充実した機能を備えながらも、これだけのコンパクトサイズに仕上がっており、身につけていることを忘れるほど。フラッシュメモリタイプの最大のメリットは、なんと言っても本体の軽量さからくる軽快さだが、本製品はその軽快さを十分に保ちながら液晶ディスプレイやジョイスティックによる高い操作性も兼備しており、より気軽に音楽を楽しみたいユーザーには最適な1台だ。

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提供:日本サムスン株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2005年12月31日