高解像度化でさらに人気爆発か!?――BenQ DLPプロジェクター「MP620」

ビジネスでもホームユースでも使えるパーソナルDLPプロジェクター「MP610」に、上位モデル「MP620」が追加された。XGA対応、DVI端子装備と待望の仕様ながら、10万円以下とあいかわらずのハイコストパフォーマンスだ。

» 2006年03月15日 00時00分 公開
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 プロジェクターというと、“高嶺の花”的なイメージを持っている人もいるかもしれないが、一概にそうとはいえない。液晶テレビが100万円を超えるようなものから手頃な製品まで揃っているのと同様に、現在では幅広い需要に応える多彩なプロジェクターが登場している。

 特に昨年10月に発売されたBenQのDLPプロジェクター「MP610」は、8万円を切るという低価格で大いに注目を集めた。しかも、注目だけにとどまらず、実際にかなりの台数が売れたようだ。その理由は、単に安いだけではないという点に尽きるに違いない。

 もちろん、この価格ですべてを満足の行く内容に仕立てることは不可能だが、できうるかぎりの配慮はなされている。プレゼンテーション用途に利用するユーザーには、クラストップレベルの高輝度・高コントラスト出力(2000ルーメン、コントラスト比2000:1)と、“ささやき”レベルを実現した静音設計、そして、30秒のクイッククーリング機能により、高い実用性を提供した。

 しかも、ビジネスプロジェクターでは多くの製品が“道具”としての外観しか与えられていないのに対し、「MP610」では光沢ダークネイビー仕上げの天板やシンプルに配置されたボタンなど、全体がセンスよく統一されている。パーソナルユーザーにとっては、安さもさることながら、このデザイン性の高さも大きな魅力だ。

 また、PC接続だけでなく、S/コンポジット映像入力も備え、さらにはコンポーネント映像入力(別売の変換ケーブルを使用)にも対応する。まさしく、ビジネスからホームまで、場面を選ばず、しかも、気軽に使える製品といえるだろう。

ついに解像度はXGAへ。DVI端子によるデジタルRGB入力にも対応し、画質は大きく向上

 そして、この「MP610」の上位機種となる製品が新たに追加された。パネル解像度がSVGA(800×600)からXGA(1024×768)へとアップした「MP620」である。価格は「MP610」よりも2万円ほど高いが、解像度アップ以外にも、多くの面で性能向上と機能追加が図られている。その意味では、「MP620」は「MP610」以上に、コストパフォーマンスが高い製品といっていい。

photo コンパクトなサイズとコストパフォーマンスの高さはそのままに、XGA対応とDVI端子の装備を果たしたBenQのDLPプロジェクター「MP620」

 なかでも注目に値するのは、汎用性の高いD-sub15ピン(アナログRGB)入力に加え、DVI-I端子を新たに装備した点だ。つまり、DVI-DによるデジタルRGB接続が可能になった。これはXGA化と双璧を成す重要な追加機能といえるだろう。実際に投射してみても、もともと色ズレやニジミがないというDLPの特徴が、デジタル接続ではより際立ち、くっきりとした鮮明な画素構成を見せつける。

photo 新たに装備されたDVI-I端子により、デジタルRGB入力が可能となった。もちろん、従来どおり、S/コンポジット映像入力も装備している。また、背面からの光漏れもない
photo 右からアナログRGB入力、アナログRGB出力(スルー)、RS232コントロールポート、USB端子(PCと接続し、専用ソフトウェアを利用すれば、MP620のリモコンでページ送りができる)と並ぶ。リモコン受光部は前面だけでなく、背面にも装備(左の丸い部分)
photo アナログRGB、コンポーネント映像(アナログRGB端子へ変換ケーブルを使用して接続)、S/コンポジット映像に加え、DVI-D入力にも対応。1系統のみならオートスキャンが利用可能だが、複数のケーブルを接続している場合は、SOURCEボタンで切り替えればいい

 しかも、ランプは200ワットから230ワットへと変更され、明るさは2200ルーメンとなった。従来の「MP610」では60〜80型あたりの投射サイズでベストといえる性能を発揮していたが、この「MP620」では解像度と明るさが向上したことで、100型に投影してみても十分に満足の行く出力品質が得られる。

photo レンズの上にあるリングを回すと、1〜1.15倍の範囲でズーム操作が可能。100型程度の画面サイズを確保するためには、最短でも約3.5メートルの投影距離が必要だが、60型であれば2.2メートルですむ。レンズの右にある丸い部分はリモコン受光部
photo 設定メニューの操作などは本体天板のボタンで行えるほか、カードタイプのリモコンも付属。オプションによるワイヤレス接続時の操作ボタンが増えているため、「MP610」のものとは若干異なる
photo リモコン、または本体のMENUボタンを押すと、OSDメニューが表示される。省電力モードや高地モード、クイック冷却機能のオン/オフなどを設定可能だ

性能は大きく向上したが、コンパクトな本体サイズや、動作音の静かさは変わらない

 このように、個々の性能向上が複合的に絡み合い、スペック値の差だけでなく、実際の映像にも大きな違いが見られるのだが、それでも、本体サイズは幅291×奥行き234×高さ94ミリ、質量は2.7キロと、「MP610」とほぼ変わらない(「MP610」は幅283×奥行き238×高さ94ミリ、質量2.72キロ)。

 また、動作中の運転音に関しても、ほんの少しの上昇にとどまっている。「MP610」と同じく、低速回転する2基の大型ファンを採用し、通常モードで31dB(「MP610」は29dB)まで抑えた。ごく静かな環境では少し気になるかもしれないが、「MP620」では省電力モードでも十分な輝度を確保可能で、その場合は28dBとかなり低く抑えられる。

 もちろん、静かだからといって、冷却性能に心配はない。側面から吸気を行い、本体内を十分な量の空気をゆっくりと流しつつ、光源ランプとDMDチップを冷却し、前面へと排気している。また、この「MP620」では、新たに左側面へマイクロダストフィルターを装着し、ホコリやチリへの対策もより万全となった。

photo 本体側面の吸気部にはマイクロダストフィルターを装着。背面から簡単に引き出して、手入れができる。500時間ごとに掃除すればいいようだ

 DVI端子の装備を活用したユニークなオプションも用意されている。それは、ワイヤレス接続だ。小型DLPプロジェクター「CP120」には同機能が標準装備されているが、「MP620」でも別売のワイヤレスモジュール「LinkPro」を使えば、ノートPCなどから無線LAN経由で映像出力を伝送可能だ。この「LinkPro」はIEEE802.11a/b/gモジュール(およびアンテナ)とDVI-D端子を装備し、本体背面に装着可能な形状となっている(LinkProは近日発売予定)。

 そのほかの多くの点では、「MP610」の基本機能・性能を受け継いでいる。パネルは1チップのDDR DMDで、カラーホイールは通常のR・G・B+白の4セグメントに黄色セグメントを追加したBenQ独自の構成。パステルカラーなども忠実に色再現できる。

 カラー設定は、PC入力時は「最大輝度」「プレゼンテーション」「sRGB/フォト」「ゲーム」「ビデオ」の5種類のプリセット、ビデオ入力時は「ムービー」「シネマ」「ゲーム」「フォト」の4種類が用意されている。ただ、「MP620」では230Wランプの採用で輝度が上がっているため、PC入力時はほとんどの場合において、「sRGB/フォト」を選んでおけばいいだろう。プレゼンテーション書類からDVDの映像まで、すべてのソースを正確な色合いと十分なコントラストで表示してくれる。

 もちろん、使用後の冷却時間を従来の3分の1(30秒)に短縮可能なクイッククーリング、オートパワーオフ、パスワード保護といった、ビジネス用途に最適な機能も健在だ。

 8万円以下という価格を引っ提げての「MP610」の登場は、まさに驚きに満ちたものだった。しかし、念願のXGA対応とDVI端子の装備を果たしつつ、価格を10万円以下に抑えた「MP620」も、ある意味で「MP610」以上に衝撃的といえるかもしれない。選択肢が2つに増えた、“カジュアルに使えるパーソナル・プロジェクター”。これまで以上に人気を獲得しそうな気配である。

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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年3月31日