国内ブランドならではのこだわりを集約――FUNAIの32V型液晶テレビ「FL-32D4」

独自の生産体制を武器に、国内や海外市場へAV機器を低価格で提供してきた“FUNAI”こと船井電機。同社では今後の主力製品とすべく、新たに液晶テレビ市場へと参入した。特に注目はワイド32V型の「FL-32D4」で、価格は抑えつつも、高性能パネルと独自の高画質化回路を搭載し、さらにデジタル放送チューナーも内蔵している。

» 2006年09月06日 00時00分 公開
[PR/ITmedia]
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“FUNAI”すなわち船井電機といえば、ブラウン管テレビやビデオデッキ、DVDプレーヤーを中心に、コストパフォーマンスに優れたAV製品を提供する国内サプライヤーとして、安定した地位を築いてきた。しかも、国内だけにとどまらず、海外市場(特に北米)でも高い競争力を持っている。とりわけ、世界最大の売上高を誇る流通最大手のウォルマートからは、高い信頼を得ており、FUNAIの製品はAV機器コーナーに不可欠な、主力製品として扱われていた。

 しかし現在、同社は少しスタンスを変えつつある。理由のひとつが、低価格さばかりを売りにするほかのアジア各国からのノーブランド製品の台頭だ。実際にはそれらと船井電機の製品とは信頼度において大きな差があるのだが、“とにかく安ければいい”という市場/製品分野では、「信頼度」という優位性がユーザーに伝わりづらい。

 そこで船井電機では、同社の低コストでの生産能力、映像分野における独自技術を最大限に活用し、今後は液晶テレビを主力製品としていくことを決断した。実は、その布石は着々と打たれており、今年に入ってからは、台湾の奇美グループと提携し、テレビ用液晶パネル材料の安定供給を確保している。

 また販路としては、国内では近年、DXアンテナとの共同でDX BROADTECブランドを展開していたが、今回の液晶テレビ投入に合わせ、FUNAIブランドを復活させた。さらに、同ブランドをこれまで以上に広めるべく、ヤマダ電機と共同で大々的にプロモーションを行っている。

自社組み立ての“FUNAIパネル”と、独自の高画質化回路“クリアピクスエンジン”

 FUNAIブランドの液晶テレビとして、先陣を切って発売されたのは、ワイド32V型の「FL-32D4」と20V型の「FL-20A4」だ。いずれも、前述のとおり液晶パネルの材料自体は奇美からの提供を受けているが、そのうち、品質管理基準をクリアしたセルのみを使用し、船井電機の自社工場で組み立てを行っている。この“FUNAIパネル”へ、同社独自のチューニングを施した映像信号を入れているのだ。

photo 独自のチューニングを施した、自社組み立ての「FUNAIパネル」と高画質化回路「クリアピクスエンジン」を組み合わせ、鮮やかな発色を実現した船井電機のワイド32V型液晶テレビ「FL-32D4」
photo 内蔵ステレオスピーカーは5ワット+5ワット出力。シャープな形状のスタンドが個性的だ

 特に注目すべきは「FL-32D4」だ。この製品では、解像度1366×768、視野角上下左右176度、コントラスト比1000:1、輝度500カンデラ/平方メートル、さらにパネル応答速度8ミリ秒という高性能のFUNAIパネルを採用。さらに、同社の映像処理技術を集約させた「クリアピクスエンジン」により、デジタルハイビジョンおよびアナログ信号の高画質化を行っている。また、低価格に抑えつつも、HDMI端子の装備はもちろん、BS/CS/地上デジタル放送チューナーまで搭載した点も大きな特徴といえるだろう。

photo BS/CS/地上デジタル放送チューナーを内蔵するため、本体へのB-CASカードの挿入が必要となる。スロットは右側面に装備

 本体はややグレーに近いブラックで、個性的な形状のスタンドもあいまって、独特の雰囲気を演出している。また、質量は15.5キロと、デジタル放送チューナーを内蔵した32V型テレビとしては軽量な部類に入るといえるだろう。操作ボタン類は前面には何もなく、すべての操作部(「本体設定(メニュー呼び出し)「音量(上/下)「チャンネル(上/下)」「入力切替」「電源」)は上面部に配置されている。

photo 本体のボタンは上面部に配置。ただ、シンプルリモコンの付属もあり、ほとんど利用することはないだろう
photo 本体設定の「画質調整」では、色の濃さ、明るさ、色合い、映像、画質の項目を用意。また、バックライトも「明るい」「標準」「暗い」の3段階で変更可能だ

 入力端子は、D4映像入力を2基、ビデオ(コンポジット/S2)入力を2基装備。前述のとおり、デジタル放送チューナーを内蔵するうえ、HDMI端子も装備していることもあり、入力端子が足りずに困るということはほぼないだろう。また、HDMI端子はDVIからの変換入力に備え、別途、ステレオ音声入力端子の接続も可能だ。

photo 右から、電話回線、アンテナ端子(地上アナログ、地上デジタル、BS/110度CS)、LAN、そして、HDMI端子(ステレオ音声入力つき。HDMIどうしで接続する場合は必要はない)。左端は外部サラウンドシステムなどと接続するための、デジタル音声出力
photo 外部映像入力として、ビデオ(コンポジット/S2)を2基、D4映像を2基装備。もちろん、各々にステレオ音声入力端子が付属している。左端は外部録画機器を接続するための、ビデオ出力(コンポジット/S2)

 クリアピクスエンジンは、色成分を独立して信号処理し、色相、輝度、彩度を最適化する「カラーマネージメント」、シーンに合わせて階調バランスを自動制御する「コントラストマネージメント」、輪郭のジャギーを抑えつつ、エッジを強調する「エッジエンハンサー」、ブロックノイズやモスキートノイズ、粒子ノイズの除去を行う「デジタルノイズリダクション」で構成。

 実際に映像を観ると、映像の「明るさ」「発色」に、重点を置いているように感じられた。自然映像であれば、とりわけ、空の青みがしっかりと鮮やかに描写される。また、コントラストがやや高めに設定されているため、番組表やメニュー画面もくっきりと見やすい表示になっている。

Tナビ搭載や、2タイプ・リモコンの付属など、使いやすさにもこだわりを見せる

 内蔵のデジタル放送チューナーは、番組表や設定画面を見るとわかるとおり、松下電器産業からの供給を受けているようだ。そのおかげで、この「FL-32D4」ではTナビ機能も利用できるようになっている。本体背面のLAN(10BASE-T)にルータやモデムを接続し、リモコンの「Tナビ」ボタンを押せば、テレビ画面に特化された情報/サービス(Tnavi.net)へアクセス可能だ。Tナビでは、ニュースや天気のほか、ゲームやショッピング、占いなど、幅広いコンテンツが公開されている。

photo Tナビ機能ではテレビ画面でも見やすくつくられたポータルサイトやオリジナルサービスのほか、URLを入力することで、一般のWebサイトへもアクセス可能だ

 ほかにユニークな点は、2種類のリモコンが付属していることだろう。片方は、デジタル放送に必要な「番組表」や「青/赤/緑/黄」のカラーボタンなどを含む、いわゆるメインリモコンで、もう片方は誰にでも簡単に使えるよう、最低限必要なボタンのみを配したシンプルリモコンだ。このシンプルリモコンでは、用途をテレビの基本操作に絞り込み、本体の操作ボタンに、数字ボタン(1〜12)や、放送切換(地上アナログ/地上デジタル/BS/CS)を加えた構成となっている。

photo リモコンは2タイプが付属。すべての機能へアクセス可能なメインリモコンのほかに、テレビ視聴のみに用途を絞ったシンプルリモコンもついてくる

 液晶テレビ市場では、国内家電主要メーカーのみならず、さまざまな分野の企業が新規参入を図り、低価格攻勢をかけたことで、選択肢が大きく広がったとともに、一方で、消費者が混迷に陥っているのも事実だ。そんな状況の中、国内ブランドならではの行き届いた機能や技術、そして、蓄積された信頼性と、低価格AV製品市場での実績を兼ね備えた“FUNAI”は、今後、見逃せない存在となるに違いない。

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提供:船井電機株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年12月31日