性能面でも磨きがかけられている。実際に映像を確認すると、まず即座に、黒の沈み込みや発色の鮮やかさに気づき、それらの結実として、全体の明瞭さが増しているように感じ取れた。あらためて仕様をチェックすると、コントラスト比が8000:1(従来は5000:1)へと大幅に向上、輝度も550cd/m2(従来は500cd/m2)とわずかながらアップしている。映像をチェックしている際には、ちょうどNHKハイビジョンで“メトロポリタン・オペラ歌劇「魔笛」”が放送中だったのだが、こうした舞台中継の映像ではとりわけ、その性能向上を実感できるようだ。
さらに、ユーザーにとって実用面で最も大きな“Plus”となる機能向上は、「HDMI端子の増設」だ。従来の1系統から一挙に2系統増え、合計3系統が使えるようになった(23V型は2系統)。
ご存じのとおり、BordeauxやBordeaux Plusでは、デジタル放送チューナーを内蔵していない。デジタル放送対応DVD/HDDレコーダーやCATVデジタルSTBとの組み合わせを想定したうえで、コストパフォーマンスを優先、無駄を省いた結果である。ただ、外部機器との接続を前提としている以上、HDMI端子の数は多ければ多いほうがいいというわけだ。
最近まではHDMI出力を装備した外部機器自体が少なかったため、使用するHDMI端子はたいてい1系統ですみ、あとはD端子やコンポーネント映像端子を利用すればよかった。しかし、これから薄型テレビを購入しようという人なら、ゲーム機やハイビジョンビデオカメラなど、多彩な機器の接続に備えたいに違いない。つまり、HDMI端子の数が購入検討時の重要な要素となりうる。
さらに、「HDMI1」「HDMI2」は通常どおり背面に装備されているが、「HDMI3」は抜き差し時に比較的アクセスしやすい左側面に配置されている。常時接続しておくわけではないハイビジョンビデオカメラなどを利用する場合には便利な位置であり、しかも、前面端子とは異なり、本体のデザインを損なうこともないわけだ。
薄型テレビは数あれど、まずデザインありきという製品はなかなか稀有といえる。従来のBordeauxと同じく、Bordeaux Plusはその筆頭となる存在だろう。しかも、ワイングラスという明確なテーマを軸にするなど、デザインに対する姿勢が一貫している点は注目に値する。ライトエフェクト、タッチセンサーという機能面での新たな試みも、すべてデザインに端を発しているに違いない。もちろん、見かけ倒しの製品ではなく、映像性能も着実に進化しており、HDMI端子の増設で実用性も向上した。Bordeaux Plusの磨き上げられた“存在感”は、これまでにもまして、見逃せないものとなりそうだ。
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提供:日本サムスン
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2007年9月30日