プロカメラマンに聞くデジカメ時代のフォトコン必勝法(1/2 ページ)

ウェブ上に数多くあるオンライン・フォトコンテストは、写真の腕を磨くのに絶好の場だ。他人が見て「うまい」、「面白い」、「美しい」と感じる写真は何が違うのか。フォトコンテストの審査員を務めるプロカメラマンに聞いてみた。

» 2007年11月12日 12時00分 公開
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人を引き付ける写真のポイントは何?

 趣味として写真を楽しむ写真愛好家なら、フォトコンテストの応募経験を持つ人は多いだろう。自分の傑作写真をたくさんの人に見てもらうことができ、運がよければ賞品や賞金までいただける。こんなオイシイ話はない。もちろん入賞するのは簡単ではないが、仮に落選したって失うものはないはず。自分の作品を他人に見せることで、写真の腕はさらに上達するし、撮るモチベーションにもつながる。そんなメリットもある。

 ウェブで「フォトコンテスト」を検索すると非常に多くのページがヒットする。過去の入賞作品や審査員のコメントを見られるフォトコンも多いので、それらをチェックし、自分に合ったフォトコンを見つけるようにしたい。

 では、入賞・入選する作品とはどんな写真なのか。写真の良し悪しは、個人の好き嫌いに左右される部分も多く、フォトコンの数だけ、または審査員の数だけ、価値基準はあると考えたほうがいい。ただし、プロではない一般の人を対象にしたフォトコンに限った場合、過去の入賞作品からいくつかの傾向は読み取れる。

 1つは、ただ単に美しい光景を撮るのではなく、撮影者独自の工夫が感じられること。例えば、鮮やかな夕陽は誰が見ても美しいと感じるが、それをストレートに撮っただけでは「作品」にはなりにくい。撮影ポジションに変えて建物や人物をシルエットとして写し込んだり、あえて夕陽そのものを画面に入れず、夕陽が反射した手前の風景を撮ってみるなど、何かしらのアイデアが必要だ。

photo きれいな海辺をそのまま撮るだけでは芸がない。このカットではジャンプした子どもを点景として添えたことで、風景写真に動きや奥行きが加わった

 もう1つは、ドラマや物語性を感じる写真であること。フォトコンによっては、複数のカットでひとつのテーマを表現する「組み写真」を募集しているケースもあるが、多くの場合は1点勝負だ。たった1枚の写真の中に写し込める情報量は限られるが、画面のフレーム外の見えない部分を想像させたり、撮られた前後の時間に起こった出来事を類推させる写真であるほど、ドラマチックでユニークな作品になる。

 また、シャッターチャンスをとらえることも大切だ。ある瞬間を切り取った写真は、絵やイラストとは違った写真ならでは表現である。そんな写真の特性を生かした作品には、見る人の目を引き付ける力がある。ちなみにシャッターチャンスというと、人物や動物、スポーツなど動体の写真だと考えがちだが、たとえ動きが少ない風景写真の場合でも雲の形や風の向きなどシャッターチャンスは大切な要素だ。

photo シャッターチャンスは何時間粘っても撮れない場合もあるし、偶然撮れることもある。どちらにしてもチャンスに対して意識的になることが重要
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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2007年12月31日