映像モードはもう“おまかせ”――東芝「REGZA」の視聴環境に適応した自動映像調整「おまかせ」モードを体験する(2/3 ページ)

» 2008年04月25日 10時00分 公開
[山本浩司,PR/ITmedia]
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視聴環境やコンテンツの内容にまで踏み込んだ高度なチューニング

 「あざやか」は、1000ルクス以上の照度となる外光が差し込む昼間のリビングルームの明るさに負けない画質を、「標準」は一般的な蛍光灯による一灯全体照明下、200〜100ルクス照度環境に合った穏やかな画質を作り込んでいる。白の白らしさを決定する色温度設定は、「あざやか」が1万2000ケルビン相当、「標準」は1万ケルビン近辺である。

photo 「おまかせ」映像モードの詳細を話してくれた東芝デジタルメディアネットワーク社テレビ事業部日本部の本村裕史参事

 「映画」には、色温度の低い白熱電球を使った100ルクス近辺の間接照明下でフィルムソースを観るにふさわしい色温度8500ケルビンの画質を仕込み、「テレビプロ」「映画プロ」は、50ルクス近辺のほの暗い環境を想定。前者はビデオ撮り作品を観るのに最適な色温度9300ケルビンを設定、後者はテレシネ(フィルム/ビデオ変換)の現場で使われているマスターモニターと同じ色温度の6500ケルビンにて画質を磨き上げてきた。

 このように、それぞれの映像モードには、照度環境と映し出されるコンテンツの内容にまで踏み込んだ高度なチューニングがきめ細かく施されていたわけだが、実際にこの映像モードが一般ユーザーにどれほど認知されているのかを調べてみたら、たいへんショッキングな数字が浮かび上がってきたという。

 REGZA購入者に「映像モードを使ったことがありますか?」という質問をしたところ、「よく使っている」と答えた方はわずか3%、ほぼ6割のユーザーが「映像モードがあるなんて知らなかった」または「使ったことはない」と返答したのである。

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 従来、REGZA出荷時の映像モードの設定は「あざやか」。つまり、多くのREGZAユーザーが夜間の抑えたリビング照明下でも、外光が差し込む昼間の明るい環境に負けないまぶしい画質設定のまま、ご覧になっていたわけである。

 この調査結果にショックを受けたREGZA開発陣は決心した。ユーザーに自発的に映像モードを選んでもらうのではなく、視聴環境や映し出されるコンテンツに応じて、東芝が最適と考える画質に自動的に設定されるオートマチック映像モードを提供しようと。それが今回「おまかせ」映像モード提案に至った経緯である。

 先述のように、「おまかせ」モードは新しいラインアップのすべてに搭載されている。これは上位機種よりもむしろ、スタンダードモデルのユーザーのほうが画質設定ボタンに手を伸ばす機会が少ないという判断だろう。しかしそれ以上に、REGZA開発陣の画質に対する並々ならぬ意気込みと、作り上げたものに対する自信の現れだと思うのだ。

 ではここで、「おまかせ」モードの画質を最適化する仕組みを解説してみよう。

「照明の色」が人の視覚心理に影響を与える

 REGZAを購入したオーナーは、テレビ設置時に「地域」設定のほかにまず「照明の色」を登録する。つまり、テレビが置かれている部屋の照明が青白い蛍光灯色(色温度4000ケルビン以上)か、黄味がかった電球色(同2800ケルビン相当)かを入力するわけである。するとREGZAは、地域やカレンダーの情報から日の出/日没時刻を割り出し、日没の1時間前から日の出の1時間後までを「照明を使う時間帯」と捉え、その時間帯にはそれぞれの照明色に合わせた色温度を基本設定するという。

photo 「おまかせ」モードでは、この“照明色の把握”のほかに、“部屋の明るさの認識”と“入力される映像信号の解析”を統合処理して、最適画質を時々刻々とリアルタイムに自動調整していく

 なぜ「照明の色」の登録が必要なのか。それは、われわれ人間は物体の色を認識するときに、“光源の色”に大きく支配されているからである。例えばオフホワイトの一般的な壁の色の見え方を思い出してみよう。白色蛍光灯が使われた昼間のように明るい部屋に入った瞬間、われわれはその白壁が青みがかっているように感じ、白熱灯(電球)照明下の部屋に入ると、その白壁が黄味がかって見えるはずである。

 テレビが置かれている部屋の照明色によって、色の見え方が異なるという事実。その前提に立つと、白の白らしさを決定する色温度設定を照明色に合わせてアジャストすることがテレビの画質を考えるうえで、非常に重要だということが分かるだろう。

 「おまかせ」モードでは、この“照明色の把握”のほかに、“部屋の明るさの認識”と“入力される映像信号の解析”を統合処理して、最適画質を時々刻々とリアルタイムに自動調整していく。

 “部屋の明るさの認識”に用いるのは、ディスプレイ下部に設けられた「明るさセンサー」。ここで、いま現在の部屋の明るさが何ルクスなのかを測り、それに合わせて、コントラストやガンマカーブ、彩度を最適化するわけである。

photo 室内環境の明るさに応じて、テレビの明るさ、色の濃さ、鮮鋭感、色温度、質感リアライザー特性をきめ細かく調整
photo 1画素ごとの輝度をヒストグラム解析し、それに応じた質感リアライザー特性(ガンマ特性)に変化させる

 “入力される映像信号の解析”も実にきめ細かい。まずその映像がビデオ収録素材かフィルム素材かをフレーム検出にて判断し、それぞれにふさわしい基本的な色温度、ガンマカーブ、エッジエンハンスを施していくわけだが、それに加えて映像を60分の1秒ごとに1画素単位でヒストグラム解析、瞬時にその映像にふさわしい画質に調整していくという。

 また、入力ソースを映画と判断した場合、部屋の照度が50ルクス未満のときは、5-5フィルムモード、すなわち24フレームの映像を5等倍して120Hz表示するが、50ルクス以上のときは、2-3プルダウン処理して60フレームの映像をつくり、それを倍速表示する仕様に変更する。明るい環境下で24フレームの5等倍表示をすると、フィルムジャダーのカタカタした動きが目立ちすぎて違和感が強くなるから、というのがREGZA開発陣の見解。視聴環境と人間の視覚心理にまで踏み込んだ、インテリジェントな画像処理。ぼくはここにREGZA開発陣の画質に対する取り組み方の成熟を実感する。REGZAの高画質に対する考え方が、別次元に進んだと言ってもいいだろう。

「5-5フィルムモード」とは?

24コマの映像を5枚づつ出画させることで、映画を映画らしく表示する機能。24コマ収録されている市販ディスクだけでなく、映画放送に合わせて1080iで放送されている映像も24コマで表示する機能を持っている。



 では実際に「46ZH500」を用意してもらい、「おまかせ」モードの画質を部屋の明るさを変えながら検証してみよう。

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