まず、外光が差し込む昼間の明るいリビングを想定し、1000ルクス以上の視聴環境をつくってみる。すると「おまかせ」モードに設定した46ZH500は、質感リアライザー特性(ガンマカーブ)を大きく変化させ、黒を沈め、白ピークを伸ばしてコントラストを稼ぐとともに、色の濃さを上げ、エッジを強調する方向にシフトしていく。つまり、その明るい環境に負けない、メリハリの効いた映像に自動調整するのである。ちょうどプリセットされた映像モード「あざやか」モードに近い映像になる。
映像に対して7種類のヒストグラム検出を行い、ハイライト部分の“飛び”や影の“ツブレ”の中から「肌色」などの特定の色を見つけ出し、飛びやツブレを補正しながら、検出した色の中間調を豊かにする映像処理。例えば「人の顔が影でツブレ気味のとき、埋没している肌色を見つけ、いきいきとした肌を表現」「暗い夜景に含まれるビルのディティールを描き出す」「日差しの降り注ぐ雪景色の中で雪の凹凸が見えてくる」といった効果が期待できる。
次に、500ルクス程度の、やや明るめの夜間リビングルーム照明下での変化を見る。すると46ZH500は、「質感リアライザー」特性を抑え気味に変化させた穏やかな表情の画質に変貌した。ちょうどプリセットされた「標準」モードに近い画質にアジャストしていくのである。例えば映画ソースを入力した場合、「電球色」に設定していると、照度によって色温度は6500〜9300ケルビンに、「蛍光灯色」だと8500〜10000ケルビンの間でリニアに変化させていくという。
最後にシーリングライトを消し、ディスプレイ背面のみに白熱灯を置いた、20ルクス程度のほの暗い環境で、HD DVD、BD ROMで映画ソースを見てみた。色温度は6500ケルビン相当、質感リアライザー特性はほぼ基準ガンマをトレースしながら、暗部をやや立てて階調表現を重視した、しっとりとした情感の映像が得られる。隣にプリセットの映像モードである「映画プロ」モードに設定した46ZH500を並べて置いてもらったが、その映像と寸部変わらぬ画質にアジャストされる印象である。
HD DVD「キング・コング」のチャプター45。ニューヨークでコングと再会するナオミ・ワッツの儚げな表情を、きめ細かな階調表現で繊細に描き出す。この品格の高い画質こそ、液晶テレビの常識を打ち破るREGZAならではの表現力。オートマチックにこの官能を描き出したことで、ぼくは改めて「おまかせ」モードの完成度の高さを思い知った。
「すべての人に、すべての場所で、すべてのコンテンツを美しく」。オーナー全員がこのテレビを入手したその日から、何も操作することなく、現在最高レベルの高画質映像でハイビジョンが楽しめるのだから、REGZAが打ち出したこの「おまかせ」映像モードの提案は、たいへん意義深い。高画質を訴求したい多くのテレビメーカーが、今後追随するのは間違いないだろう。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2008年5月31日