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» 2009年05月18日 10時00分 公開

「Zシリーズ」のクリアパネル、Wスキャン倍速を徹底解剖:東芝「REGZA」、画質にかけた3つの挑戦 (2/3)

[本田雅一,PR/ITmedia]
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映画好きは無視できないWスキャン倍速

 さて、ここまではパネルそのものの違いだが、もちろん新製品では、REGZAらしく機能面からも、さらなる高画質を狙っている。細かな改良を含めると数多くの変更が加えられているが、注目すべきは「Wスキャン倍速」と「レゾリューションプラス2」の2つだ。

 中級グレード以上の液晶テレビは、速い動きによって像がボケて見える現象(動きボケ)を緩和するため、毎秒60コマの映像を120コマに増やし、その間の像をクリエーションしていることはご存知だろう(いわゆる倍速対応)。

 これは液晶パネルの特徴であるホールド表示(フレーム表示期間中、同じ映像を保持し続けること。残像によるボケ感を招く)の時間を短くする効果がある。では、さらに2倍の毎秒240コマに増やせば、さらに動きボケが減り、動画解像度が高まるのだろうか? 答えはイエスだ。毎秒240コマ化を図ることで、動きボケはさらに減る(いわゆる4倍速対応)。

 しかし、4倍速において4コマ中3コマを正確にクリエーションすることは、技術的にとても難しい。中間のコマを生成する精度が向上してきているとはいえ、完全な処理はできない。動きがおかしく見えるといった問題を減らそうとすると、今度は動きボケの抑制効果が下がってしまう。

 一方、REGZAが今回搭載したWスキャン倍速は、毎秒120コマ表示とした上で、各コマの間に黒画面を挿入する。実際には液晶画面で黒を表示するのではなく、バックライトを消すことで画像のホールド時間を低減しているのだ。

 ただし、1画面すべてのバックライトを同時に消すのではない。半分ずつ交互にバックライトを消すのである。こうすることで、黒挿入時に感じるちらつき(フリッカー)を緩和できるのだ。

photo Wスキャン倍速の仕組み。毎秒60コマの映像を120コマに増やし、バックライトのON/OFFを実施して各コマに2パターンの黒を挿入することで動きボケを抑えつつ、フリッカーも緩和している

 バックライトを周期的に消すと、当然ながらトータルの光量が減るため、最大の輝度は出せなくなる。しかし、昨今の液晶パネルはバックライトの発光効率向上などもあって充分以上の明るさが得られており、実使用上、問題となることはない。

 この効果は明らかで、倍速化でわずかに残っていた動きボケが全く感じられなくなる。サッカー番組などを見れば、一目瞭然(りょうぜん)にクリアな見通しの良い表示になっていることが分かるはずだ。単純に表示コマ数を増やすのではなく、「最良の動きボケ抑制方法は何か」を求めたREGZAの挑戦、第2弾だ。

 さらに素晴らしいのが映画を見るとき。REGZAは5-5変換表示(倍速駆動で映画ソースの24フレームを5等倍表示)とすることで、毎秒24コマの映画を映画監督が意図したとおりの時間軸で見せてくれるが、この際にも合間に高速のバックライトスキャン(明滅)が入る。この時の質感は映画館のスクリーンに近く、まさに映画独特の動きを楽しめる。これは4倍速化では決して得られない楽しみ方だ。

 24コマ収録となっている市販Blu-ray Discソフトはもちろん、レグザは2-3プルダウンされた映画のテレビ放送も逆2-3変換した後に5-5変換表示できるため、映画好きには無視できない機能といえる。

Wスキャン倍速を激写してみよう

 倍速化したうえで1枚のフレームにバックライトのON/OFFを実施して2パターンの黒を挿入する「Wスキャン倍速」。実際には1秒間に240枚の異なる画面を映し出すわけだが、一体どのような動作をしているのか、ピンとこない人もいるだろう。

 論より証拠。「42Z8000」を撮影スタジオに持ち込み、実際に映像を表示している画面の撮影に挑戦した。

 240分の1秒ならカメラのシャッタースピードとしては特別速いわけでもないため、簡単と思っていたのだが、実際はそんなに甘くなかった。シャッタースピードを上げるには光量が必要だが、明るい場所では画面をキレイに撮影できず、スタジオ内は照明を抑えた状態。フラッシュを併用すると連写ができず、なかなかバックライトの消えた瞬間を捉えることができない。撮影者には、技量と工夫と忍耐力と、なにより運が求められるようだ。

 夕方に開始した撮影は夜中まで続き、撮影枚数は300枚を超えた。「フィルムの時代じゃなくてよかった」(カメラマン)。しかし、苦労したかいあってWスキャン倍速が動作する様子を、一端なりとも写真に収めることができた。とくとご覧あれ。

photophotophoto 中央の写真は画面の上下、右の写真は画面中央が黒くなっている(クリックで拡大)

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2009年6月17日