筆者がもっとも聞きたかったテーマ、それはシャープ製スマートテレビの発展性についてである。
テレビの寿命はさまざまだが、およそ5〜10年のサイクルで買い換える人が多いといわれる。デジタル機器としてはかなりの長寿命で、同じ”スマート”仲間でも、スマートフォンやタブレット型端末とは、そこがまったく違うポイントだ。
ところが、そんなテレビより買い替えサイクルの短いスマートフォンでも、アプリケーションをダウンロードすることで機能が常に変化し、時代に合わせた、あるいは利用者の生活スタイルに合わせた機能へと変貌を遂げられるようになっている。決まりきった機能をお仕着せで提供する時代ではなくなったとも言える。
と、前振りが長くなったが、インターネットで提供される映像サービスが多様化し、増え続けている今、「○○というサービスに対応しました」と新モデルごとに新しいサービスに対応するというのでは困る。もちろん、いざとなればインターネットサービスに接続するためのアダプターを付け足すこともできるが、スマートテレビをうたうのであれば、各種サービスに対して柔軟に対応できるような仕組みがほしい。
ということで、新たなネットワークサービスに対応するためのアプリケーションを追加できるようにならないか? というのが、最後の質問だった。
「もちろん、それは考えています。ただし、将来どんなサービスが流行するかは分からない面もあります。完璧にあらゆるサービスと繋げられるよう準備をしておくことは難しい。しかし、これは技術論ではありません。スマートテレビというならば、テレビ寿命の間はずっと使えるよう配慮すべきですよね。現在のAQUOSでは、(AQUOS Cityでカバーできる部分を除き)残念ながら対応サービスをあとから追加していくことはできません。しかし、次はそうなるように開発をしたいですね」(宗俊昭広副事業部長)。
ということで、新しいサービスに後になって対応できるよう、AQUOS用アプリケーションを開発するための仕組みをシャープが提供するというから期待したい。
「ユーザーコミュニティーを作り、どんなアプリケーションが欲しいか、どんな機能をテレビに入れてほしいか、アイデアを集めて”キラーアプリ”と呼ばれるような機能を作り上げたいです」(宗俊氏)。
どうやらシャープは本気のようだ。放送だけでなく、Blu-ray Discだけでなく、映像はインターネットを通じても流通し始めている。そうした新しいテレビの形を模索するために、ユーザーの声を受け入れながら、次の製品に生かしていこうとしている。
どんな要望にも小回りの良さとアイデアで応える。そんなシャープらしさを発揮すれば、あるいは来年のモデルには本誌読者の意見が盛り込まれたAQUOSが登場しているかもしれない。
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提供:シャープ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2011年9月30日