動画を見るデバイスとして台頭してきたスマートフォン。中でも「AQUOS」ブランドを冠したシャープ「SH-10D」は、「NOTTV」などのコンテンツも楽しめる注目機だ。その実力を本田雅一氏がAV評論家の目線でチェック!
僕の連載「本田雅一のTV Style」は、その名の通りにテレビを題材にしたコラムなのだけれど、最近は動画を見るデバイスとしてスマートフォンやタブレットが台頭し、無視できない存在になっている。そこで今回は、シャープのスマートフォン「SH-10D」を“映像を楽しむ”という視点で話を進めていきたい。もちろんスマートフォンとしての性能や使い勝手についても触れていくつもりだ。
さて、“スマートフォンとテレビ”を考える際、3つの視点があると思う。1つは端末をリビングにあるテレビなどと連動させて使うこと。すでに同社の液晶テレビ「AQUOS」やBlu-ray Discレコーダー「AQUOSブルーレイ」で録画した番組、写真、音楽をスマホで視聴できるDLNA(Digital Living Network Alliance)、および無線リモコン機能を統合した「Smart Familink(スマート・ファミリンク)」が提供されている。またAndroid向けに提供されている多様なアプリも、もちろん利用できる。
残り2つはワンセグ、あるいは「NOTTV(ノッティーヴィー)」端末として、放送を受信・再生する端末としての評価。そして映画やアニメ、テレビドラマなどプレミアム映像を視聴する映像ディスプレイとしての評価となる。今回は後者2つについてチェックしていこう。
SH-10Dを見てまず驚いたのは、コンパクトで引き締まったフォルムになっていることだ。個性的な「ポリゴンシェルデザイン」は、両サイドを背面に向けて絞り込んでおり、角張った見た目から想像するよりはるかに持ちやすい。
LTE「Xi(クロッシィ)」に対応し、プロセッサも高速なQualcomm Snapdragon S4 MSM8960(1.5GHzデュアルコア)を搭載。バッテリーは1900mAhと4インチ台としては最大クラスの容量だ。NOTTVアプリを動かしても操作は快適で、バッテリーにも余裕があるのはうれしい。NOTTV搭載端末は、サイズの面でワンセグ機に比べて不利になると思っていたのだが、こうしてSH-10Dを見る限り、サイズ面での不利はほとんどないことが分かる。
さて、では肝心の画質はどうだろうか?
本機に搭載されている4.5インチHD液晶「CG Silcon液晶」(1280×720ピクセル)は、最新のハイエンド機らしく前面保護パネルと液晶パネルの間を樹脂で埋め、気泡処理を施した高コントラストディスプレイ(リフレクトバリアパネル)を採用しているが、加えて同クラスの液晶パネルとしてはコントラストそのものが高い。
もとより1インチあたり300画素を超える“網膜解像度”を超えた画素密度の液晶パネルのため解像度は十分以上だが、コントラストが高いことで色純度が高く鮮やかで透明感のある画質だ。バックライト輝度も十分。自動調整モードでは最高輝度にまで上がらないが、ドロワーに表示されるバックライト輝度調整アイコンを使い、手動で最高輝度に設定すると夏の日中でも十分に見やすい明るさになる。
さて、こうした高精細、高コントラスト、広色域といった特長は、最新の小型ディスプレイには共通している。しかし、これらのスペックが良ければ、画質まで良くなるというわけではない。シャープの端末が優れているのは、単純に”色が鮮やかならばキレイ”という作りっぱなしでOKという雑な作り方ではなく、テレビの上位製品と同じように、液晶の特性に合わせた“絵の作り込み”をしていることだ。
端末設定の「壁紙・画面設定」から「画質モード」を選ぶと、テレビではお馴染みの「標準」「ダイナミック」「ナチュラルカラー」「スーパービビッド」だ。それぞれ試してみたが、有機ELパネルをそのまま組み込んだだけの製品に近いのがスーパービビッド、ダイナミックは明暗を強調する傾向があり、最近の液晶を使ったスマートフォンに近い。
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提供:シャープ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia LifeStyle 編集部/掲載内容有効期限:2012年9月23日