さらにボーズは、SoundTouchシリーズの複数台の使用を想定して面白い機能を提供している。例えば、好みのインターネットラジオ局を見つけ、自室のSoundTouchでプリセットボタンの「1」に登録したとしよう。寝る前に寝室で別のSoundTouchの電源を入れ、「1」のプリセットボタンを押すと、さきほど別室で登録したラジオ局の音が流れ出すのだ。つまり、プリセット情報が自動的に同期されるのである。裏ではネットワークを介して複雑なことをしていると思うが、それを使う人に意識させないところは立派だ。
そしてスマートフォンやPC用に「SoundTouch App」(Android、iOS、Mac OS、Windows)が用意される。このアプリは、いわばシステム全体のコントローラーで、手持ちのスマートフォン1つにインストールしておけば、どの部屋にいってもプリセットボタンの操作から曲の選択、ボリューム操作まで自由にコントロールすることができるというわけ。ちなみに、それぞれのスピーカーに別々の曲を再生させたり、逆に同じ曲を一斉に再生することも可能だ。さらに「SoundTouch Wi-Fi music systems」はアップルのAirPlayにも対応しているので、iPhoneやiPadをコントローラーにした場合はPC内の楽曲だけでなく、デバイス内の音源も再生できる。
それでは個々の製品について、その特長に触れてみよう。
3モデル中、もっとも大型の「SoundTouch 30」は、前面にL、Rチャンネル用の中高域のユニットをビルトイン。背面にウーファーを装備し、これにボーズ独自のウェーブガイドスピーカー技術を与えた3チャンネル構成によって低域まで豊かなサウンドを再現する。中間モデルの「SoundTouch 20」は前面にL、Rチャンネル用のフルレンジ・ユニットをそれぞれ2基ずつ用いてポートチューニングを施し鳴りっぷりの良さをアピールする。そして一番コンパクトな「SoundTouch Portable」はL、Rチャンネル用に同じくフルレンジのユニットを配置しているが、小型のモデルなので低域の表現力を補うため、背面にパッシブラジエーターを加えてスムースな音の再現に力を注いでいる。しかもこのパッシブラジエーターは表面積を稼いで低域をサポートするためにワッフルのような構造が採用されていることもポイントだ。
いずれもスピーカーのユニット・サイズや駆動するデジタルアンプの出力は公表されていない。おそらく彼らはスペックに惑わされず音を聴いてそれぞれのパフォーマンスを感じ取ってほしいというメッセージをここに込めているのだろう。言い替えれば、それほどまでにこれらのモデルに対する自信が現れているといってもいい。
また「SoundTouch Portable」は充電式のリチウムイオン電池を内蔵しているので、AC電源のないところでも最大で3時間の再生が可能になっていることも活用の途を広げてくれる。さらに3機種ともステレオミニジャック仕様のAUX端子(外部入力)を装備しているので、ポータブルCDプレーヤーなどを繋げば、これまで通りのコンポーネントとしても使えるというわけだ。
初期設定やファームウェアのバージョンアップは確実性を重視したこともあってPCからUSB経由で行うが、その後はワイヤレスで操作できるので使い勝手はなかなか良い。6つのプリセットボタンや「一斉再生」は、最大で6台の「SoundTouch Wi-Fi music systems」で使えるそうだが、日本の家庭環境を考えるとそこまではどうかなぁ。
ただ、今後の製品(記事末に関連情報あり)にはホームシアターシステムの「Lifestyleシリーズ」などに「SoundTouch」機能を追加するアダプターも予定されているので、複数台のSoundTouchシステムを所有する人も増えていくのだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
提供:ボーズ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia LifeStyle 編集部/掲載内容有効期限:2014年3月31日