OPPO初のヘッドフォン「PM-1」、本田雅一と野村ケンジはどう見た?(前編)レアな対談企画が実現(1/2 ページ)

米OPPO Digitalが新たに投入したヘッドフォン「PM-1」とヘッドフォンアンプ「HA-1(JP)」の評価は? 本田雅一氏と野村ケンジ氏の異色タッグによる言いたい放題の対談企画をお届けしよう。

» 2014年06月25日 10時00分 公開
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 ユニバーサルプレーヤーの世界で確固たる地位を築き、「事実上の業界標準」といわれる米OPPO Digital。同社が次のステップとして狙いを定めたのは、机の上で楽しめるパーソナルなオーディオデバイスだった。

平面磁界駆動型ヘッドフォン「PM-1」とUSB-DAC機能搭載ヘッドフォンアンプ「HA-1(JP)」

 5月の「春のヘッドフォン祭2014」で披露され、来場者の注目を集めたOPPOの2製品――平面磁界駆動型ヘッドフォン「PM-1」、そしてUSB-DAC機能搭載ヘッドフォンアンプ「HA-1(JP)」。OPPOの新しい挑戦は、目の肥えたAV評論家の目にどう映ったのだろうか。そこで今回は、技術とビジネスを俯瞰(ふかん)した鋭い考察に定評のある本田雅一氏、そして独自のヘッドフォン批評で業界を牽引する野村ケンジ氏の2人を招き、OPPO Digital Japanのテクノロジー・エバンジェリスト・松浦亮氏を加えた3人の対談をお送りしよう(以下、敬称略)。

本田雅一氏(左)と野村ケンジ氏(右)。AVファンにはおなじみの2人だが、実は一緒に仕事をするのは数年ぶりとか

OPPO Digitalが高級BDプレーヤーの分野で成功した理由

野村: OPPOといえば、まずユニバーサルプレーヤーが思い浮かびます。私も使っていますし、本田さんの家にもありますよね。

本田: 現在、業界内では“高級BDプレーヤー=OPPO”という状況になっています。「BDP-83 nuforce edition」の国内販売が始まったのは2010年頃ですから、ほんの数年で、あっという間に浸透した印象です。現在、OEMを含めると海外でも最も大きなBDプレーヤーメーカーといえるのではありませんか?

OPPO Digital Japanのテクノロジー・エバンジェリスト・松浦亮氏

松浦: OPPO Digitalは、10年ほど前にDVDプレーヤーを製造する会社としてスタートしました。当時は日本メーカーの全盛期でOPPO Digitalも“その他大勢”に紛れてしまっていましたが、2010年の「BDP-83 nuforce edition」あたりから日本でも注目され始め、AVファン層を中心に支持が広がってきました。当初から“多機能さ”で知られていましたが、その後2011年に発売した「BDP-95」に当時あまり知られていなかったESS TechnologyのDAC「ES9018」をいち早く採用したことで、急速に“音にこだわるブランド”としても認知されるようになりました。本社は米国カリフォルニア州シリコンバレーの近くにあり、本社機能のほか設計やサポート業務を行っています。なお、生産量は年々増えており、すでに年間20万台の規模になっています。

本田: DVDからBDへの移行期は、ちょうど日本のAV専業ベンダーが高級機(高級プレーヤー)を出せなくなった頃でもあります。前段階として、BDプレーヤーそのものの市場が壊れてしまった。それは、MediaTekのようなシステムLSIベンダーが登場し、どんな企業でもプレーヤーを製造できるようになったからです。チップとソフトウェアを購入してくれば、後は箱に入れるだけ。まるでキットのような製品になってしまい、中国メーカーの安い製品が市場にあふれました。このため日本のメーカーは、単価の高いレコーダーにシフトしていきます。

ESSのDACをいち早く搭載した「BDP-95」(2012年発売)

野村: その中で頭角を現したOPPOは、何が違ったのでしょう。

本田: 同じプラットフォームを購入してきても、その上で、自分達が思い描く機能をどのように実現するかを考えたことでしょう。OPPOは、アナログ回路を自前で作ったり、ネットワーク内にあるメディアの再生機能を加えたりと、付加価値を加えていきました。トレンドにも敏感で、ファームウェアアップデートで機能を追加できます。OPPOはBDプレーヤーですが、その枠には収まらない。まるでエンジニアが自分たちの欲しいものを実現したかのような製品です。

野村: そうですね。最初からSACDの再生に対応するなど多機能でしたが、さらにアップデートで製品の性質をダイナミックに変えていく、変えられるように作っている部分はスゴイと思います。例えば「BDP-103/105」も発売後にDSD再生に対応しました。最初はUSBメモリーからの再生でしたが、後でネットワーク再生もサポートするなど、的確にユーザーニーズに応えています。

本田: あと、以前のモデルならISOファイルの再生機能とかね(笑)。

野村: ありましたね(笑)。今でいうと、DLNA/DTCP-IP(クライアント機能)のように、日本独自の規格や仕様もしっかりと取り込んでくれたことに驚かされます。海外メーカーですから、そこまで期待する人は少ないはずなのに。初期の製品を購入したユーザーは本当にラッキーだったと思います。

本田: それができるのも、良いプラットフォームを採用しているからこそでしょう。ほかのメーカーもDSD再生には対応したとしても、PCM変換で再生品質を落としていたり、実際の音はあまり良くなかったりするケースもあります。しかしOPPOのBDプレーヤーは、DSDのほうが音がいいと感じられる。後付けの機能でしっかりと対応できているところが凄い。


野村: ソフトウェアアップデートをバグフィックスのために出す会社もある中、世の中のニーズに合わせて機能を追加していく流れをOPPOが作ったと言えるかもしれませんね。まあ、一般に広めたのはゲーム機かもしれませんが。中には追加ソフトウェアを有償で提供するメーカーもありますが、今の時代にはそぐわない。OPPOはソフトウェアアップデートという手法を、良い方向に持ってきてくれたと思います。

松浦: OPPO Digitalのポリシーは、「最初に買ったお客様が得をする」ようにすることです。通常、製品の販売価格は発売から時間が経過すると下がっていきますよね。OPPO Digitalの場合、価格の落ち込みは海外マーケット含めてほとんどありません。これは、ファームウェアアップデートによって製品の魅力を高め続けることで、いつでも最新の機能をもった製品として訴求できるからです。もちろん、最初に買ったお客様は常に最新の機能を楽しめますから、結果的に最初に買ったお客様が得をするわけです。米国本社はユーザーの評判を非常に気にしていて、日本でイベントや製品貸出をするたびに「どうだった?」と聞いてきます。イベントでいただいた意見を列挙すると、次は項目ごとに需要の高さ、優先順位を聞いてきて、可能な限り対応していきます。なるべく多くのユーザーが「いいね!」と思える製品を作ることに対して、非常に熱心なメーカーです。

野村: さまざまなフィードバックを真摯(しんし)に受け止めてるから、どんどん良くなっていくということですね。

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提供:OPPO Digital Japan株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia LifeStyle 編集部/掲載内容有効期限:2014年7月24日

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