これってロビタ?――富士通が考えるサービスロボット(2/2 ページ)
「火の鳥」に登場する“ロビタ”似のサービスロボットを、富士通研究所らが開発した。オフィスなどでの作業支援を目指したこのロボットは、一人でエレベーターも乗れるし、台車で荷物も運べる実用的な“普及価格ロボット”だ。動画付き。
4(腕部)+1(手部)の自由度しかないアームだが、HOAP-2にも搭載されているロボットの動作学習を効率的に行える「ニューラルネット」を採用し、自然で滑らかな動作を可能にした。エレベーターのボタンを押したり、荷物を載せた台車を押したりといった動作を、“いかにもロボットっぽい”アームで器用にこなしていく。
バッテリーはニッケル水素充電池を使用。約3時間の充電で、連続3時間以上の走行が行えるという。3時間という“労働時間”が長いか短いかは意見が分かれるところだが、開発したサービスロボットは充電が必要になった場合、自律的に充電ステーションまで移動できる「自動充電機能」を装備。充電ステーションは、電動歯ブラシやPHSなどで使われる無接点送電システムを採用しており、安全かつ簡単に充電が行えるようになっている。
サービスロボットに必要なのは“共通プラットフォーム”
莫大なコストをかけて、このようなサービスロボットを1台(もしくは数台)だけ作るのは、それほど難しいことではない。綜合警備保障の警備ロボット「ガードロボ C4」のように、すでに実用化された例もある。
今回のサービスロボットは、200万円という自動車1台分ぐらいのコストで導入できるのにもかかわらず、受付案内/郵便物等の搬送/情報の検索・提示/巡回/見回り/清掃(ユニット追加で対応)など、オフィスや商業施設で実際に役立つ作業が行えるのが特徴だ。
富士通研究所取締役の内山隆氏は「サービスロボット開発のコンセプトとして重視したのは“共通プラットフォーム化”。ロボットは多様な仕事ができるのがメリットだが、仕事ごとにロボットを作ると開発が大変になる。共通のプラットフォーム(本体)を用意して、オプションを追加することでさまざまな作業に対応させることを目指した」と、サービスロボット開発の背景について語る。
「ロボットは日本の高度な技術を生かせる分野として期待も大きい。また、今後は少子高齢化で労働力が不足してくるので、社会的な要請としてもサービスロボットは必要。政府も本格的にロボット開発を推進している。富士通グループは、ロボット研究者向けのHOAP-1/2や一般ユーザー向けMARON-1などロボット開発を推進してきた。本格的な人間型ロボットを販売しているのは富士通だけ。オフィスなどでネットワーク連係機能を持つ実作業ロボットを投入することで、ソフトサービスビジネスも展開していきたい」(内山氏)
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