1080i入力もOKのHDCP対応ワイド19型液晶ディスプレイ――サムスン「SyncMaster 940MG-R」
リビングのテレビはほとんどワイド化しているが、PCデスクトップは? サムスンの液晶ディスプレイ「SyncMaster 940MG-R」は、1440×900解像度のワイド19型画面を採用し、HDCP対応DVI-D端子、コンポーネントなどを装備した、デスクトップエンタテインメント構築に最適な製品だ。
DVDのみならず、デジタルテレビ放送がようやく本格的に普及し始めたこともあり、ワイド比率(16:9)の映像を鑑賞する機会がぐっと増えてきた。PC上でも、家庭用ハイビジョンビデオカメラで撮影した映像を編集・閲覧したり、720p/1080i解像度のWMV-HDを再生するなど、ワイド映像を扱うことは多い。
となると、ワイド画面を採用したPCディスプレイを導入したいと考える人も、自然の成り行きで増えてくるわけだ。選択肢としては、1280×720(または1280×768)のワイド17型、1920×1200のワイド24型あたりが、解像度の面では一般的といえるが、少し変わったところでは、1680×1050のワイド20〜21型という製品も存在する。
さらに最近、徐々に数を増しつつあるのが、ワイド19型の液晶ディスプレイだ。解像度は1440×900とやや変則的に感じられるが、実は1440×900は「WXGA+」と呼ばれ、最近のビデオカードであれば、たいてい対応解像度に含まれている。
しかも横方向の1440という解像度に関しては、デジタル放送での実質的な水平解像度が1440の場合もあり、また、HDV 1080i方式のハイビジョンビデオカメラでは1440×1080(インタレース)で記録を行っている。DVDの映像にしても720×480で記録されており、1440という水平解像度はそのちょうど倍だ。
サムスンが新たに発売した「SyncMaster 940MG-R」は、この1440×900解像度(ワイド19型)を採用した液晶ディスプレイだ。PC入力はDVI-D、アナログRGB(D-sub・15ピン)の2系統で、さらに、アナログTVチューナーを内蔵、外部ビデオ入力(コンポジット/S)も装備している。
背面の入力端子は、DVI-D、アナログRGB(D-sub・15ピン)に加え、コンポーネント映像にも対応。音声入力はPC用に1基(DVI-DとアナログRGBで兼用)、コンポーネント映像用に1基となる。外部ビデオ入力(コンポジット/S、および音声)は背面ではなく、左側面に配置されている
本体は前面がシルバー、背面がブラックのツートンカラーで、画面下にステレオスピーカーを搭載。属するカテゴリーは、あくまでもPCディスプレイなのだが、外観から受ける雰囲気はむしろ、パーソナルテレビという印象だ。
液晶には光沢パネルを採用し、エンターテイメント用途に適した絵づくりを実現している。しかも、外光の反射を抑えるARC(アンチ・リフレクション・コーティング)加工を施すことで、PCでの作業時にも困ることはない。またPC入力時には、サムスン製品ではおなじみのMagicBright機能として「エンターテイメント/インターネット/テキスト/ユーザー調整」の4つのプリセットモードが用意され、用途に応じて最適な表示を選択可能だ。
実際にPCとDVI-D端子で接続してみたところ、発色はやや派手めながら、黒はしっかりと沈み、全体に明瞭な印象だ。外光の映り込みはもちろん皆無ではないものの、見た目に不快さを感じさせない程度に、しっかりと抑えられている。
HDCP対応のDVI-D端子は1080i入力もOK。HDD/DVDレコーダーとの接続も可能
この製品でとりわけ注目されるのは、コンポーネント映像入力の存在、そして、DVI-D端子がHDCP対応になっている点だろう。HDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)は暗号化により保護されたデジタル信号の送受信を行うもので、ご存じのとおり、今後、PC上でデジタル放送や次世代DVDのコンテンツを閲覧する際に必須となってくる。
また、コンポーネント映像はもちろん、DVI-Dでも1080i入力に対応可能である。そのため、ひょっとしてと思い、HDMI→DVI-Dケーブルを使って、デジタル放送チューナー内蔵HDD/DVDレコーダーを接続してみたところ、480p/1080i/720pはまったく問題なく表示された(480iでは映像が出なかった)。
パネル解像度が1440×900のため、いずれのモードでもドット・バイ・ドット表示にはならず、また、オーバースキャン固定(映像はほんの少し縦長となる)ではあるものの、1080i入力時でもIP変換やスケーリングに不具合などはなく、映像自体は十分に鑑賞に堪えうる品質といえる。
HDMI→DVI-D接続時とコンポーネント接続時の映像を比較すると、コンポーネント映像では「ダイナミック/標準/映画/ユーザー調整」から映像モードを選べるのだが(内蔵テレビチューナー、外部ビデオ入力も同様)、ニュートラルな「標準」でもかなり濃厚な色合いとなる。DVI-Dでは最も派手な「エンターテイメント」を選択しても、やや薄めの色合いだが、やはり精細感はグッと増す。
一般的な組み合わせを想定すると、DVI-D端子にはPCを接続することになるだろう。その場合は、PC画面上に内蔵TVチューナーや外部ビデオ入力の映像を子画面(PIP)/2画面(PBP)で表示可能だ。
また、空いたアナログRGBの有効活用として、Xbox 360との接続も試みてみた。Xbox 360 VGA HD AVケーブルを利用する場合、出力解像度は640×480〜1360×768で、1440×900には対応しない。そのため、ひょっとすると表示すら不可能かもと思ったが、1280×720に加え、1360×768、1280×768といった解像度でもきちんと表示された。DVI-Dとは異なり、アナログRGB入力時には表示ポジション/サイズの調整が必要となるが、自動調整機能を利用すれば、容易に行える。
この「940MG-R」では、アナログRGB接続時の表示品質も優秀で、デジタル接続時と比較しても画像劣化は少ないようだ。特に、PCとの接続で最適解像度(1440×900)を出力した場合には、にじみやブレがほとんどなく、しっかりとした表示品質を提供してくれる。
ワイド19型では、画面自体は408×255ミリ程度と、横幅で通常の19型を3センチほど上回るものの、高さは17型と19型の中間となるため、あまり余裕のないデスクでも無理なく利用可能だ。
「940MG-R」は、そんなパーソナルユースに最適なサイズへ、HDCP対応や豊富な入力端子を盛り込んだことで、PCでの作業のみならず、さまざまなエンターテイメントを気軽に楽しめるようになっている。まさしく、“デスクトップエンターテイメント環境”の構築には、もってこいの製品といえるだろう。
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提供:日本サムスン株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年12月31日
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