より小さく、シンプルになった新iPod shuffleを試す(3/3 ページ)
操作ボタンを廃するという思い切った手法でデザインのシンプルさを高め、かつ「話しかける」という機能を備えた第3世代iPod shuffle。さっそく触れてみよう。
iPodワールドワイドプロダクトマーケティング担当のショーン・エリス氏によれば、読み上げについてはすべて合成音声(TTS)で行われているとのことで、「英語と認識した場合の英単語」については非常になめらか。今回はWindows PCで利用したが、OS X LeopardならばTTSに“Alex”が使われており、よりなめらかな発音を楽しめるという。
総じていえば高い確率で正確な読み上げを行うが、現時点では「どの言語で発音するのが正しいか」、邦楽については「発音に起伏がない」「どのように読むかという理解」に改善の余地ありというのが正直な感想だ。
ただ、邦楽については、ひらがなにカタカナ、漢字にアルファベット、当て字など特殊な読み方など、非常にさまざまなな表現が行われるので、現在でも十分に健闘していると感じる。このあたりはソフトウェアアップデートで改善される可能性もあるため、今後のさらなる改良を期待したい。
iPod shuffleという製品自体、初代からディスプレイなし&シンプルな操作性をコンセプトにしている。新搭載された、複数のプレイリストを音声ガイダンスで明示的に切り替えられる機能は便利であるし、リモコンでの操作自体にさほど不満は覚えない。強いて言えば、ややリモコンの位置が耳に近いという気もするが、これは使ううちになれるだろう。
そうなると気になるのが、付属品のリモコン付きイヤフォン以外は使えないのかという点。購入時にAppleストアのスタッフにたずねた際には、「付属品以外だと、純正オプションのリモコン付きイヤフォン(「Apple In-Ear Headphones with Remote and Mic」ないし「Apple Earphones with Remote and Mic」)をお使いください」という回答だったが、果たして一般的なイヤフォン/ヘッドフォンを組み合わせることはできないのだろうか。
結果から言えば、残念ながら実用にはたえない。付属品ないし純正オプションのカナル型イヤフォンは端子が4極(ステレオのL/R 2極と操作用の2極)であるのに対して、一般的なイヤフォン/ヘッドフォンは端子が2極(ステレオのL/R 2極)であり、どうやっても再生/停止や音量調整を行えないからだ。
一般的なイヤフォン(試用したのはソニーの「MDR-EX500SL」)を差し込んだ状態でiPod shuffleの電源を入れれば、音は出てくることを確認はできたが、操作できたのは電源とシャッフル再生のオン/オフのみ。再生/停止や音量調整はどうやっても行えなかった。これでは一般的なイヤフォン/ヘッドフォンは、「使えない」と言うしかない。
非常にコンパクトかつスッキリとしたデザインで、既存モデルよりも魅力を感じる人もいると思われるが、お気に入りのイヤフォン/ヘッドフォンを事実上受け付けないというのは非常に残念。既に海外ではサードパーティから、リモコンのみあるいはリモコン付きイヤフォンが発表されており、こうした製品の国内販売を待ちたいところだ。
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