GE、コンパクトデジカメで日本市場に挑戦
GE(ゼネラル・エレクトリック)といえば世界最大規模の複合企業だが、一般的な消費者の目からすると、その名前を聞く機会は多くない。しかし、今年はそのロゴを目にする機会が増えるかもしれない。
GE(ゼネラル・エレクトリック)といえばトーマス・エジソンを祖とする世界最大規模の複合企業だが、コンシューマ向け製品の展開は以前ほど積極的に行っておらず、日本の一般的な消費者として、その名前を聞く機会は多くない。しかし、今年は「GE」のロゴを目にする機会が増えるかもしれない。
フォトイメージングエキスポ2009にブースを構えている「ジェネラル・イメージング・ジャパン」は、GEからデジタルカメラの独占販売権を取得し2007年に創設された「ジェネラル・イメージング」の日本法人。2月より国内でのテストマーケティングを行っていたが、4月より、GEマークのついたコンパクトデジタルカメラを本格展開、計12機種を販売開始する。
飽和状態にあるともいわれるコンパクトデジタルカメラの市場にあえて、いま参入するのはなぜか。
「参入が難しいのは分かっている」――同社執行役員の西田泰久氏は率直にそう述べる。西田氏は富士写真フイルム(当時:現 富士フイルム)に入社後、長く宣伝畑を歩いた人物。同社社長の小宮弘氏もオリンパスイメージングの社長を経て現職をつとめている。日本人の目で、日本の外からデジカメ市場を眺めてきたメンバーが同社の中核を占めている。
これからの参入が難しいと分かっているとしながらも、西田氏は「最後発ゆえ、市場に存在する技術はすべて製品に取り込みつつ、かつ、低価格で提供できる」と、最後発ならでのメリットを最大限にいかしていくという。
確かに同社が4月以降に販売するコンパクトデジタルカメラは、すべて小型なカードタイプで、光学ズームレンズや手ブレ補正機能のほか、上位機種は顔認識や笑顔検出、パノラマ撮影機能なども備える。しかも、価格は高機能な製品ですら3万円程度だ。後発ならではのメリットを生かし、高機能と低価格を両立した製品ラインアップだといえる。
ただ、キヤノン、ニコン、ソニー、パナソニック、ペンタックス、オリンパスなど優れた日本のカメラメーカーが世界市場へも強い影響力を持っており、消費者の国内ブランド信仰も根強い。「安価な海外ブランドのデジタルカメラ」はある種の偏見を持たれないだろうか。
「確かにGEのブランドはマイナスに作用するかもしれません。ですが、社長や私は日本人ですし、デザイナーも日本人。販売するデジタルカメラは、日本を知った人が作ったものです、日本人のきめ細やかさが反映されています。決して“外国企業が作ったカメラを売っている”つもりはありません」(西田氏)
「機能と価格」が製品戦略ならば、利用者戦略として同社が構想しているのが、「写真や映像、その道具としてのカメラを通じて、子どもや若者の情操教育に寄与する」という「映育」(えいいく)だ。具体的な詳細は未定だが、学校や旅行代理店などを通じ、若年層に写真やカメラに親しんでもらうための長期的な取り組みを行っていきたいという。
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