8倍録画にHDD内ダビング、機能充実の「ブルーレイDIGA」(2/2 ページ)
パナソニックが9月に発売する新しいブルーレイDIGAは、新しいAVCエンコーダーによる8倍録画をはじめ、番組の分割・結合をサポートした編集機能など、見どころは多い。ここでは各モデル共通の新機能を紹介しよう。
HDD内ダビングに対応した編集機能
ダビング・編集機能にも大きなアップデートが加えられた。まず、「ダビング10」を生かして“HDD内ダビング”が可能になったことが大きなトピックだ。これにより、各録画モードでHDD内ダビングを行い、画質と容量のバランスを見てBDにダビングする画質を選択することができるようになる。
また、録画タイトルの分割や結合も可能になり、例えば複数の音楽番組からお気に入りアーティストのクリップを集めるといった編集作業が行える。番組結合では、それぞれの番組が同じ録画モードになっていることが条件で、残りダビング回数は少ないほうになってしまうといった注意点もあるが、結合したあとは番組の切れ目がチャプターとなって残るなど、ダビング後の利便性にも配慮した仕様になっている。
録画番組の持ち出し機能は、対象コンテンツを大幅に拡充した。従来は、地上デジタル放送を13セグメントすべて録画する手法で“ワンセグ持ち出し”のみを実現していたが、今回はMPEG-4 AVCエンコーダーを活用する。つまり、ワンセグ放送が行われていないBSデジタル放送や110度CSデジタル、アクトビラ・ダウンロードで購入した番組、さらにSDカード経由で取り込んだビデオカメラの映像(AVCHD)まで持ち出し可能になった。なお、地上デジタル放送に関しても、ワンセグだけでなく、非サイマル放送のフルセグ放送をエンコードして持ち出し用ファイルを作ることもできる。変換には再生時間と同じだけの時間が必要になるが、登録しておけばレコーダーの電源がオフになっている時間帯に処理してくれるという。
LAN経由のダビングも可能に
DMR-BW770以上のモデルに限られるが、ネットワーク関連の機能向上も著しい。例えば、VIERAで先に実現している「YouTube」の直接アクセスに対応。また、DLNAサーバ機能では、VIERA(PZR900以降)との組み合わせに限り、DIGAのGUIをネットワーク越しに利用したり、番組ごとのレジューム機能が使えるといった独自の拡張機能も備えている。
さらに、HDD内蔵VIERAの「R1シリーズ」とLAN接続した場合、DTCP-IPとDLNAの仕組みを利用して、R1シリーズのHDD内にある録画番組をDIGAにIPムーブ可能になった。伝送時間が等速ということもあり、同社では「従来機のi.Link接続と同様、非常手段ととらえてほしい」としているが、ユーザーにとっては大きなメリットになるはずだ。
PCなどからブルーレイDIGAの録画予約が行える“Dimora連携”では、「キーワード自動録画」を新たにサポートした。これは、任意のキーワードをand、or条件とnot条件の計15個の条件で登録すると、DIGAが条件に合う番組を探して自動的に録画するというもの。放送波や番組ジャンルなども同時に登録できるため、柔軟な設定が可能だ。このような設定作業をDimora経由で行う理由は、入力にPCのキーボードが使えるため。同様に、番組タイトル名の編集もPCからネットワーク越しに行う仕組みになっている。
このほかにも、クイックスタート「入」時の消費電力を中心に低消費電力化を進めるなど、細部にわたってアップデートが行われている。そのほかの主な仕様は下表の通り。
型番 | DMR-BW970 | DMR-BW870 | DMR-BW770 |
---|---|---|---|
HDD容量 | 2Tバイト | 1Tバイト | 500Gバイト |
デジタルチューナー | 2基 | ||
HDMI出力 | 1(1080/24p、1080/60p出力対応) | ||
i.LINK端子 | 1系統2端子 | 1系統1端子 | |
同軸デジタル音声出力 | ○ | ー | |
光デジタル音声出力 | ○ | ||
SDカードスロット | ○(AVCHD対応) | ||
USB端子 | ○ | ||
入力端子 | S映像×2、コンポジット×2 | ||
外形寸法 | 430(幅)×239(奥行き)×68(高さ)ミリ | 430(幅)×239(奥行き)×59(高さ)ミリ | 430(幅)×239(奥行き)×59(高さ)ミリ |
重量 | 約4.2キログラム | 約3.4キログラム | 約3.3キログラム |
型番 | DMR-BW570 | DMR-BR570 | DMR-BR670V |
---|---|---|---|
HDD容量 | 320Gバイト | ||
デジタルチューナー | 2基 | 1基 | |
HDMI出力 | 1 | ||
i.LINK端子 | ー | ||
同軸デジタル音声出力 | ー | ||
光デジタル音声出力 | 1 | ||
SDカードスロット | ○(AVCHD対応) | ||
USB端子 | ー | ||
入力端子 | S映像×1、コンポジット×1 | ||
外形寸法 | 430(幅)×239(奥行き)×59(高さ)ミリ | 430(幅)×239(奥行き)×59(高さ)ミリ | 430(幅)×335(奥行き)×94(高さ)ミリ |
重量 | 約3.2キログラム | 約2.9キログラム | 約6.4キログラム |
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