月額682.5円でCATVからの乗り換えを狙うフレッツ・テレビ:テレビに光をさす(2/2 ページ)
NTT東西のフレッツ光を利用してテレビ放送を送信する「フレッツ・テレビ」は、アンテナ要らずの地デジ対策というふれこみだが、必然的にCATVとガチンコ勝負になる。
フレッツ・テレビの初期工事と費用
フレッツ・テレビの初期工事は、NTT東とオプティキャストから1名ずつ担当者がやってきた(といっても同じ施工業者だったが)。筆者宅ではすでにBフレッツ ハイパーファミリータイプに加入していたので、家の外壁から光ケーブルを室内に引き込む経路は確保されている。フレッツ・テレビはBフレッツでも視聴可能なのだが、4月に申し込んだ際に、今回は無料でフレッツ光ネクストへアップグレードするといわれた。そこでまずNTT東の工事は、Bフレッツからフレッツ光ネクストへ変更する屋外作業から始まった。光ケーブルをテレビ伝送用に交換し、室内の壁に取り付けるパネルを交換して、映像用回線終端装置を接続する工事を実施。1時間ほどで作業は終了した。
NTT東の初期費用の内訳は、フレッツ・テレビ・基本工事費4500円、フレッツ・テレビ・交換機等工事費1000円、フレッツ・テレビ・回線終端装置工事費500円(キャンペーン価格)で、合計6300円(税込み)だった。
次に室内のテレビ用配線を調整するオプティキャストのテレビ接続工事だが、上述の映像用回線終端装置から同軸ケーブルを直接テレビに接続するだけならば、特に工事を依頼する必要はなく、自分で分配器、同軸ケーブルを用意して接続すればよい。筆者宅では各部屋のテレビ端子へも配信したかったので、「ホーム共聴工事」を申し込んでいた。
以前CATVを導入した際の配線は、屋外の電柱から引き込んだケーブルを各部屋のテレビ端子へ分岐させる分配器へ接続されていた。そしてリビングのテレビのみにCATVチューナーを接続して地上波・BS・CS放送を視聴し、そのほかの部屋は地上アナログのみという構成だった。
フレッツ光のケーブルは2階リビングのLANケーブルと同じソケットに来ている。分配器は1階の屋根裏だ。そこで今回はリビングのテレビ端子から分配器まで以前とは逆方向に送信して分配器への入力とした。各部屋のテレビ端子で受信状態を測定した結果、特にブースターを付けなくても良好な状態であることが確認できた。このホーム共聴工事の代金は1万5750円(税込み)だった。
およそ2時間弱の工事でCATVからフレッツ・テレビへの移行は無事完了した。両社の初期工事費用はしめて2万2050円(税込み)。このほか初期費用としてスカパー!光加入料2940円もかかる。「スカパー!光 ライト」の月額料金は、オプティキャストへ支払う「スカパー!施設利用料」の210円と、NTT東に支払う「フレッツ・テレビ伝送サービス利用料」の472.5円を合計した682.5円(いずれも税込み)。
追加のオプションとなる「スカパー!e2」は、基本料410円とチャンネル(衛生劇場1575円など)/パック・セット(J sports 3chセット1890円など)を自由に組み合わせられる。「スカパー!CSデジタル」は専用チューナーのレンタル料315円と「スカパー!光アラカルト725円〜」「スカパー!光パックセレクション(50チャンネル)2950円」「スカパー!光パック(68チャンネル)3550円」の3コースが用意されている(いずれも月額料金)。
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