“ワンランク上”のハイエンド機――キヤノン「PowerShot S90」:レビュー(1/4 ページ)
PowerShotにSシリーズが4年ぶりに登場。1/1.7型の“ワンランク上”新撮像素子、広角ズームレンズを搭載し、この秋イチオシのハイエンドコンパクト機だ。
PowerShotにSシリーズが帰ってきたっ。しかもフルモデルチェンジ……というより、前モデルの後継機じゃなくて、まったくの新しいシリーズとして、だ。Sシリーズの「小型軽量の広角系ハイエンドモデル」という路線はきちんと継承しているものの、前作「PowerShot S80」(以下、S80)が登場したのは2005年の秋だったのである。もう4年もたっているわけで後継機というのもヘンだろう。
むしろ、ハイエンドIXY(以前は、1/1.7型クラスのCCDを搭載したハイエンドモデルがあった)の置き換えモデルといった方がいい。大きさも4桁型番のIXYとあまり変わらない。小型コンパクトでハイエンドな撮像素子を搭載したデジカメだ。リコーの「GR DIGITAL」や「GX200」、パナソニックの「DMC-LX3」の競合機と思えばいいかもしれない。
前面コントローラーリングの操作感が気持ちいい。
「PowerShot S90」(以下、S90)の注目すべきポイントは3つある。ひとつはデザインと大きさと操作系といったボディ周り。黒くフラットな携帯性の高いボディに、ダイヤルを2つ設けたこと。面白いのは鏡胴周りのリングがそのまま電子ダイヤルになっていることだ。
グリップ部の出っ張りがないので慣れないとやや心許なく感じるが、デザイン的にはスッキリしていてよい。
RING FUNCキーでリングに割り当てる機能を選択。STDは設定によって自動的に決まる(基本的には、リングがISO感度、ホイールが露出補正)。露出補正に割り当てると、背面のホイールがISO感度設定になる
鏡胴部のリングは上面の「RING FUNC」ボタンでカスタマイズ可能で、オートの時はステップズームに、それ以外では露出補正、ISO感度、マニュアルフォーカスなどに変更できる。このリングはクリック感もしっかりしており、回していて気持ちよいのが最高。
ISO感度は1/3段刻みなので(最高ISO3200)、リングを回して細かくセットするのもまた楽しい。セルフタイマー時はこのリングで細かく秒数を指示できるし、シーンモードの「ノスタルジック」ではノスタルジック度合いをリングで変更できる。
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