いまが買いどき? 4月に変わる「エコポイント」:デジモノ家電を読み解くキーワード
リーマン・ショック以降の消費低迷に一定の効果があったとされる「エコポイント制度」が4月から変わる。今回は、特に影響が大きいとされる地上デジタル放送対応テレビに絞り、その影響を考えてみたい。
4月から「エコポイント」は変わる
環境省・経済産業省・総務省により、地球温暖化対策の推進・経済の活性化及び地上デジタル放送対応テレビの普及を目的として推進されている「エコポイントの活用によるグリーン家電普及促進事業」(以下、エコポイント制度)は、4月1日をもって一部改訂される。
主要な変更点は3つ、制度発足当初は3月末とされていた対象製品の購入期限が2010年12月末まで9カ月延長されること、申請手続きが簡略化されること、そして対象製品の判定基準が新しくなること。そのうちわれわれ消費者にとってもっとも影響が大きいと考えられるのが、最後に挙げた判定基準の変化だ。
メーカーにとっては厳しい措置
エコポイントの対象となる製品は、エコポイントのWebサイトから「対象製品」のリンクをたどることで確認できる。統一省エネラベル4つ星相当以上(最高で5つ星)、製品カテゴリは「地上デジタル放送対応テレビ」と「エアコン」「冷蔵庫」の3ジャンルという大枠に変化はないが、地デジ対応テレビについては“より省エネ性能の高い製品”への絞り込みが実施される。
その新基準だが、消費電力量や電力効率など複数の評価項目が反映された星の数で表現されるため、個々の数値では測れない。しかし、前基準での省エネ評価が5つ星でも新基準では選外という機種も多く、対象機種数も半分以下にまで減少している。省エネ強化という時代の趨勢でとらえれば、おおむね妥当なところだ。
しかし一方では、皮肉な事態も生じている。例えば、東芝“REGZA”シリーズの「37H9000」と「37Z9000」は2009年11月発売の姉妹機であり、多くの機能は共通しているが、消費電力は37H9000の170ワットに対し、37Z9000は185ワット。わずかな差ながら選外となった37Z9000は、消費電力以外はほぼ同スペックの後継機「37Z9500」に置き換えられることになった。エコポイント対応のためにモデルチェンジを余儀なくされたと考えると、メーカーにとってエコとは正反対の事態が生じたといえる。
来週は絶好の買いどき到来?
とはいえ、消費者にしてみれば“絶好の買いどき”到来だ。エコポイントを追い風に販売を伸ばしていたメーカーおよび販売店は、選に漏れた機種について見切り売りを進めており、新聞の折り込みチラシにも連日刺激的なプライスが掲示されている。お目当ての機種が新基準の選外かどうか、3月末までにいまいちどチェックしてみてはいかがだろう。
執筆者プロフィール:海上忍(うなかみ しのぶ)
ITコラムニスト。現役のNEXTSTEP 3.3Jユーザにして大のデジタルガジェット好き。近著には「デジタル家電のしくみとポイント 2」、「改訂版 Mac OS X ターミナルコマンド ポケットリファレンス」(いずれも技術評論社刊)など。
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