発展途上のLED照明はどこへ向かうのか:ライティングジャパン
次世代の照明技術を集める「次世代照明技術展」(ライティングジャパン)が開幕した。急速な普及が始まったLED電球はどのような進化を目指しているのか。
次世代の照明技術を集める「次世代照明技術展」(ライティングジャパン)が4月14日開幕した。LED電球の普及に伴い、今回から新設された「LED実装技術ゾーン」を中心に紹介していこう。
LED電球といえば白熱電球の置き換えを連想される人も多いが、今後は直管型の蛍光灯がLEDに置き換わっていくだろう。現在はまだコストの面で蛍光灯にかなわないとされているが、LED照明は光の色や強さを変更できるメリットがあり、新築住宅ではLED照明を導入する動きが始まっているという。
半導体メーカーのロームは、新築用の「LEDシームレス照明」と既存の蛍光灯器を利用できる「直管蛍光灯型LED」を展示している。LEDシームレス照明は両端のソケット部分をなくし、継ぎ目のないシームレスな照明とした。小型の電源を内蔵しているため別途電源を設置しなくてすみ、厚み約38ミリと非常にコンパクトだ。
パナソニック電工は、LED照明用の高放熱基板材料「ECOOL」を展示していた。LED照明の出力を上げると発熱が生じ、製品の寿命に悪影響を与える。LED照明の用途を広げるためには、基盤レベルでの地道な熱対策が必要となる。「ECOOL R-1787」では熱伝導性の優れたガラスコンポジット基板材料を採用することで、基盤温度を昨年モデル比で−10度まで低下させた。参考出品されたものでは、さらに−10度とより放熱性能を向上させていた。
最近の薄型テレビでは、LEDエッジライトを採用した省エネ+薄型の製品が増えているため、従来のCCFL(冷陰極蛍光ランプ)はいずれ淘汰される運命にある技術だと思われがちだ。しかし、サンケン電気は新開発のCCFLをエッジライトに使った薄型テレビの試作モデルを展示していた。蛍光管内のガス圧を低く抑えることで、大光量・高効率を達成している。
試作モデルではパネルの上下に2本のCCFLエッジライトを配し、LEDエッジライトモデルに匹敵する消費電力を実現したという。LEDに対して50〜60%のコスト削減が可能となり、普及型の薄型テレビへの採用が有力視される。
ライティングジャパンの会期は4月16日(金曜日)まで。開場時間は10〜18時(16日は17時まで)。当日入場料は5000円だが、Webサイトで事前登録を行うと無料になる。
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