“RD”の血統再び、REGZAブルーレイ「RD-BZ800」を試す(後編):レビュー(4/4 ページ)
東芝のBlu-ray Discレコーダー「RD-BZ800」は、フラグシップモデル「RD-X10」に次ぐハイスペックモデル。前回は、外付けUSB HDDや高速トランスコードなど特徴的な機能を紹介したが、後編ではAVC録画の画質チェックを中心に検証していこう。
トレンドと継承、まずは第一歩を踏み出したRD
他社のBlu-ray Discレコーダーが着実に機能向上し、トレンドを取り込んできた中、自社開発としては(おそらく)最初になる本機を含む2010年冬モデルは複雑な位置づけといえる。販売好調の液晶テレビ「REGZA」とのセット販売を大いに意識しなければならない反面、固定ファンの多いRDシリーズ初のBlu-rayレコーダーでもある。前者にとって重要なのはトレンドを抑えることで、3D対応や長時間AVC録画などスペックとして比較されやすい部分をしっかり取り込む必要があったはずだ。
後者に関しても、BDの仕様上、制限の大きくなったダビング以外はRDとしての機能はほぼ継承された。問題なのは、ほぼ1年前のRDの仕様を、良い点も悪い点もそのまま引き継いでおり、マルチタスク性やユーザーインタフェースの洗練度といった部分で競合製品に先行されていることだ。既存のRDユーザーであれば、機能の継承とBlu-ray Disc対応だけでも満足するだろうし、動作制限をいかに回避するかも知っているだろう。しかし、万人向けかといわれると少し微妙だ。
もちろん、利用スタイルによっては魅力的なのは事実。市販のUSB HDDで録画容量を増やせる点は、BDレコーダーの中では本機(と姉妹機)だけが持つ特長であり、低コストでHDDを増設できるため、録画は画質劣化のないDRモードが基本という人にはコストメリットが大きい。RDシリーズやNASとLAN経由で相互ダビングも可能なので、1台のレコーダーに依存しない形で録画番組を保存することもできる。これらはDVDレコーダー世代でも搭載されていた機能だが、最終的にBDメディアに無劣化のままダビングできることで、その価値は増した。大事な録画番組はBDメディアとNASにダビングし、さらにUSB HDDにムーブしておけば、トラブルで失う可能性はかなり低くなる。さすがに、そこまでする人は滅多にいないと思うが、仮にそこまでしても低コストだ。これは大きな魅力といえる。
あのRDシリーズのBDレコーダーということで過大な期待をしていた人たちにとっては拍子抜けの部分もあるかもしれないが、まずはBlu-rayレコーダーとして堅実な第一歩を踏み出したといえる新生RD。シリーズ番組の録画に強い自動録画機能は健在で、可能なかぎり“録り逃し”が発生しないように録画ユニットの自動振替を行う機能などもあり、ソニー製品とはまた違った意味で録画マシンとしての魅力は大きい。また、同程度のHDDを内蔵する競合製品と比べて実売価格が控えめという点も現実的な魅力の1つ。既存のRDユーザーを含め、録画機の用途をしっかり考えている人に訴求したい製品といえる。
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