写真で解説する“BRAVIA”2011年春モデル(画質編):ブラビア史上最高エンジン(2/2 ページ)
ソニーが発表した“BRAVIA”の上位モデルには、新映像エンジン「X-Reality PRO」が採用された。今年1月に登場した「X-Reality」がほんの数カ月でアップデートされたことになるが、何が異なるのか。担当者のコメントを交えながら解説していこう。
3Dを明るくするLEDブーストがパワーアップ
4倍速の液晶パネルを牽引してきたソニーは、パネル駆動技術の「モーションフロー」を改良して動画表示性能を改善している。新製品のうち、直下型LEDバックライトを採用するHX920シリーズは、4倍速パネル(240コマ表示)とバックライトブリンキングを組み合わせた「モーションフローXR960」となり、16倍相当の動画表示が可能になったという。また、部分駆動に対応したエッジ型LEDバックライトのHX820シリーズでも8倍速相当の「モーションフローXR480」となった。同じ4倍速パネルでもバックライトの性能で動画表示性能に差が出る。
新製品は4機種とも赤外線トランスミッターを内蔵した“3Dレディー”モデルだが、パネル駆動技術やLEDバックライトの進化は3D表示にも生かされた。まず、1月のEX720シリーズで採用した3D専用「タイミングコントローラー」を搭載し、液晶の書き換えスピードに起因するクロストークを低減。さらにフラグシップのHX920シリーズでは、バックライト消灯時の電力を点灯時に上乗せして発光させるインテリジェントピークLED」技術で明るい3D映像を実現した。もちろん3D表示の低クロストーク化にも貢献する。
デモンストレーションでは、従来製品との比較でインテリジェントピークLEDの動きがよく分かった。局部的に100%を超える輝度を出すときは、ワットメーターの数字が従来製品よりも消費電力が上がり、電力が上乗せされていることが伺える。ただし、花のアップ映像のように画面全体が明るいシーンでは従来機種より消費電力は下がる。これは、LEDの発光効率自体は向上し、テレビセットとしては省エネになっている証拠だ。
ソニーでは、新製品の発売にあわせて3Dメガネの新製品「TDG-BR250」も発売する(4月下旬発売)。重量は従来機「TDG-BR100」の77グラムから59グラム(ホワイトは61グラム)へと軽量化。また付属のUSBケーブルを使い、テレビやPCから充電できるようになった。3分間の急速充電で3時間の利用が可能だ。カラーはブラックとホワイトの2色を用意している。
なお、従来機のTDG-BR100は偏光フィルムを取り付けることで同社製3Dプロジェクター「VPL-VW90ES」でも使用できたが(→初の3Dプロジェクター、ソニー「VPL-VW90ES」詳報)、TDG-BR250ではサイズが異なり、そのまま流用することはできない。VPL-VW90ESユーザーは注意してほしい。
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